株を売るタイミングを計るための株価やPER等の指標、運用金額の増減……プロトレーダーである株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏は「あえて確認しないほうがいい」といいます。なぜなのでしょうか。みていきましょう。
株価、PER、予想配当利回り…プロトレーダーは「あえて確認しない」 ※画像はイメージです/PIXTA

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株価は、自分の投資方法に最適な一定の間隔で確認する

株式投資では、株価が安い時に買い、高い時に売ることで利益が出ます。ですから株価は、もっとも気になる数値でしょう。しかし、感情のままに、時間があればその度に購入銘柄の株価を確認するのは、考えものです。

 

2000年から2016年の日経平均株価の日次騰落率(→1日当たり平均でどの程度株価が上下したか、を示す値)は、およそ0.5%から1.5%の範囲内に収まっています。しかも、リーマンショックのあった2008年がおよそ1.5%と突出していますが、その年を除けばほとんどの年は1%以内に収まっています。つまり、1日当たりの平均で考えると、日経平均株価は1%も上下しないのが普通なのです。

 

ですから、中長期投資をする人や、頻繁にトレードができない人などは、毎日頻繁に株価を確認することが精神的にはマイナスとなってしまうかもしれません。株価の上下によって気持ちが揺れ動いてしまう可能性があるからです。

 

そしてそうであるならば、もともとそう大きく上下するものではないのですから、1日に1回、週に1回など、一定間隔でチェックしていた方が、冷静に売り時を計れるのではないでしょうか。

 

もちろん、スキャルピングやデイトレードをする人は、もっと頻繁にチェックした方がよいでしょう。

 

つまり重要なのは、気の向くままにチェックするのではなく、「株価は、自分の投資方法に最適な一定の間隔で確認する」ことです。

売り時を判断するための指標も、自分の投資方法に最適な一定の間隔で確認する

購入時と比べてどれくらい株価が上がったか、または下がったかで売り時を計る場合もありますが、あえてそれは脇に置いておき、特定の指標によって売り時を判断する人もいるでしょう。

 

たとえば、「PERが20倍の時に買ったので、15倍を切ったら売ろう」「予想配当利回りが3%を切ったら売ろう」「決算の数字を確認して、それによって売るか売らないか決めよう」などです。

 

これらの場合も株価と同様で、そう毎日大きな変化を見せるものではありません。しかし、毎日、毎時間それを気にしてチェックしていれば、その指標の変化のしかたによっては、急いで売りたくなってしまうこともあります。

 

したがってこれも同じく、気の向くままにチェックするのではなく、自分の投資方法に最適な一定の感覚で確認すればよいのです。

 

ここで、「常にチェックをしないと、その指標が売り時を示したときに売れない」と考える人もいるかもしれませんが、ではそれを逃してしまった後、その指標はどうなるでしょうか?(この問いと答えは株価でも同様です)

 

そんなことは、厳密にはわからないのです。さらに状況がよくなる可能性もありますし、一時的に状況が悪くなりまた良くなる可能性だってあるでしょう。

 

ですから、冷静に売り時を計るためには、一瞬の隙も逃さずに売ろうと身構えるよりも、だいたいこの辺で売れればいいやと心理的な余裕を持ち、株価も株価以外の指標も、自分の投資方法に最適な一定の間隔で確認するのがよいのです。