資産形成の第一歩は家計を知ることから始まります。今回、焦点をあてたのは「パンの支出額」。最近、パン店の閉店といったニュースをよく目にしますが、そこに「パン離れ」ということはあるのでしょうか? 総務省『家計調査』からみていきます。
都道府県「パン消費額」ランキング…「高級食パン店」、続々閉店の影響は? (※写真はイメージです/PIXTA)

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パン店続々閉店のニュース…その裏側に何がある?

驚くほど柔らかい高級食パン。2018年ごろから全国の至る所に専門店が開店しましたが、最近になって続々と閉店。ブーム終焉を指摘する声があふれています。閉店するのは、ブームの火付け役としてメディアでも度々登場していた某プロデューサーが手掛けた店が多いことから、「しょせん、作られたブーム」と冷ややかな目を見る人も。

 

そもそもこの高級食パン、ブームの本当の始まりは2013年。街に高級食パン店が溢れる5年も前のこと。発端はセブンイレブンの『金の食パン』だったといわれています。ふんわりと口どけのよい食感は人気を呼び、1斤250円程度とやや高額でありながら、発売わずかで1,500万個が売れる大ヒット商品となったのです。

 

さらに大阪の「乃が美」や銀座の「セントル ザ・ベーカリー」などの専門店がブームを後押ししました。受けた理由は「日常のプチ贅沢」。世間的にリーマンショックの影響が薄れ、アベノミクスで日本全体が上昇機運になったころ。人々の「プチ贅沢志向」にぴったりとはまったのが、高級食パンだったわけです。

 

そんなブームに便乗したものの、この食パン。毎日食べるには高すぎる、というのがやはりネックでした。また中には生クリームや砂糖をふんだんに入れているものもあり、「もはや食パンではない」というレベルのものまで登場したのも、ブーム終焉を招いたのではないか、といわれています。

 

とはいえ、本来1斤150円程度の食パンに、プラス100~200円で叶うことができる「プチ贅沢」は、これからも根強い人気を得ていくだろうというのが大方の見方。ブームに便乗した行き過ぎた店が淘汰される、ただそれだけのことのようです。

 

またパン好きからは悲鳴が聞こえてきたニュースが、小田急電鉄が展開する「HOKUO」の全店閉店。小田急ユーザーであれば馴染みの深いパン店であり、また北海道出身であれば「東京にも北欧があるんだ」と驚いたであろう、パン店です。

 

北海道で展開していた「北欧」に由来する人気のパン店ですが、コロナ禍で電車利用が減ったことで来店数が激減。事業整理の対象になりました。なお首都圏全39店舗は2月28日に閉店。小田急線沿線の10店舗はドンクに事業譲渡されます。