20歳以上の日本人であれば、全員が加入とされている国民保険。その保険料の納付状況をみていくと、将来の見通しがたたない人たちの厳しい現実がみえてきました。
国民年金、保険料未納の「非正規労働者」…将来待ち受ける「低年金」の悲惨 (※写真はイメージです/PIXTA)

国民年金保険料を払っても、安泰の将来は見えてこない

20歳以上であれば、全員加入といいながらも、保険料の納付率は8割に満たない日本の公的年金制度。その理由のひとつといわれているのが、納付意欲の低下です。

 

年金制度は大きく「積立方式」と「賦課(ふか)方式」があります。積立方式は、積立金を原資に運用収入を活用できる方法ですが、インフレによる目減りや運用環境の悪化など、デメリットがあります。日本が採用する賦課(ふか)方式は納められた保険料をその時々の給付に充てる方法です。

 

「自分が払った分だけ年金がもらえたら……」、そんな意見をよく見ますが、確かに、賦課(ふか)方式では自身の払った保険料ともらえる年金額はイコールではないので、そういった部分では、納付意欲を駆り立てられることはないでしょう。

 

またもともと国民年金は自営業を念頭に設計されたものですが、、現在の加入者の多くは、パートやアルバイトなど非正規労働者。そもそも給与が少なく、月額16,610円(令和3年度)の保険料の納付もままならない人が非常に多いのです。

 

しかも、保険料の全部あるいは一部を免除する制度も利用されていないケースも多いといいます。

 

ちなみに、免除と未納は異なり、免除期間はすべて受給資格期間に算入されます。ただし、年金の受給額は免除の程度によって減額され、全額免除期間の年金額は1/2で、3/4免除期間の年金額は5/8で、半額免除期間は6/8で、1/4免除期間は7/8で計算されます。

 

2021年度、国民年金の満額受給は78万0,900円。もし3年間の免除期間があったとすると、全額免除の場合は年額3円弱ほど、3/4免除の場合は年額2万円強、半額免除の場合は年額1.5万円弱、1/4免除の場合は年額7,000円強の減額となります。一方で未納の場合、年額6万円弱の減額となるので、やはり「保険料が払えない」というなら未納とせずに免除の相談をしたほうがいいでしょう。

 

しかし、そもそも給与面でハンディのある非正規労働者の場合、たとえ全額支給されたとしても、当然、年金だけで暮らしていけるわけはなく……足りない分は貯蓄を取り崩すことになりますが、その分の原資もなく……老後が行き詰まることは目に見えています。

 

今年の10月には短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大され、将来的に多くの年金を受け取れる人が増えるでしょう。しかしそのような制度改正でも、こぼれてしまう人はいます。国は「自助努力によって老後に備えよ」と号令をかけていますが、努力ではどうしようもない人たちはどうすればいいのか、何も示されておらず、ただ絶望するしかない状況です。