20歳以上の日本人であれば、全員が加入とされている国民保険。その保険料の納付状況をみていくと、将来の見通しがたたない人たちの厳しい現実がみえてきました。
国民年金、保険料未納の「非正規労働者」…将来待ち受ける「低年金」の悲惨 (※写真はイメージです/PIXTA)

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全員加入の国民年金…未納は2割強

日本の年金制度は、「社会的扶養」の仕組みで成り立っています。つまり社会全体で支えている、ということです。また日本国内に住む20歳以上が全員加入する「国民年金(基礎年金)」と、企業などに勤めている人が加入する「厚生年金」の二階建て構造となっています。

 

国民年金(老齢年金)を受け取るためには、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が、原則として25年以上必要でした。しかし2017年8月1日から、10年以上の資格期間があれば、老齢年金を受け取ることができるようになりました。

 

厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の平均受給額は、資格期間25年以上で5万6,358円。資格期間25年未満で1万9,282円でした。

 

また受給額別にみていくと、一番のボリュームゾーンは「6万~7万円未満」で全体の44.6%。一方で年金額が3万円にも満たない人たちが約130万人もいます。

 

【国民年金(老年基礎年金)受給額の分布】

1万円未満:74,554人(0.2%)

1万~2万円未満:293,600人(0.9%)

2万~3万円未満:928,755人(2.8%)

3万~4万円未満:2,842,021人(8.5%)

4万~5万円未満:4,663,638人(14.0%)

5万~6万円未満:7,760,979人(23.3%)

6万~7万円未満:14,835,773人(44.6%)

7万円以上:1,882,274人(5.7%)

 

出所:厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より

 

そもそも国民年金は20歳以上であれば、原則、全員加入。しかし実際の保険料の納付率は100%にほど遠いものになっています。厚生労働省によると、2020年度、国民年金の最終納付率は77.2%。8年連続の上昇となっているとはいえ、全員加入ながらも、2割以上は未納という状況です。

 

都道府県別にみていくと、保険料の納付率が最も高いのが「島根県」で87.6%。一方で最も低いのが沖縄県で66.74%。地域によって20ポイントもの差が生じています。

 

【国民年金保険料納付率…ベスト5・ワースト5】

1位「島根県」87.86%

2位「新潟県」87.51%

3位「富山県」86.27%

4位「山形県」85.75%

5位「岩手県」85.45%

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43位「茨城県」74.57%

44位「栃木県」74.42%

45位「東京都」73.39%

46位「大阪府」70.60%

47位「沖縄県」66.74%

 

出所:厚生労働省『令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況について』より