定年を1年後に控えたタイミングで辞表を叩きつけた59歳女性「仕事もない、貯蓄もない」お一人様の老後危機が到来。どうすればいいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が著書『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)で60歳から老後資金を貯める働き方を解説します。
貯蓄ゼロのお一人様…老後資金を増やす働き方と裏ワザ【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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ステップ①フリーランスとして70歳まで働く

よくよく考えた末、佐藤さんは最終的にフリーランスの道を選びました。出版社時代はヒット作も出していたので有名な著者とのつながりも多いですし、単行本の企画もやっと動き始めるようになったのです。

 

編集の仕事は、企画から本ができあがるまでに時間がかかります。その間は収入がないため、辛抱の時期もありました。それでも、仕事が回り出すと、収入も安定します。雑誌やWeb原稿の執筆依頼も入ってくるようになりました。足場が固まったということでハローワークに開業届を出し、再就職手当を受け取りました。

 

さて、60歳以降の佐藤さんはどうなるでしょう。

 

生活費は20万円、住宅ローン8万円ですから、毎月28万円が必要です。

 

65歳からの年金の受給額は約14万円となっています。

 

65歳までいけばなんとかなりそうですが、正直なところきつきつの生活です。やはり老後は楽しく暮らしたいですし、要介護になったときのことを考えて、ある程度の蓄えを用意しておきたいものです。

 

佐藤さんは、65歳まで働くつもりです。フリーランスなので収入に波はありますが、雑誌のレギュラーページを任されることが決まり、月額10万円が固定収入として入ってきます。年間に5冊の単行本を編集すると100万円、そのほかの原稿執筆が合わせて月額20万円になります。

 

なんでも自分でやるフリーランスはたいへんですが、そのぶん収入も増えていきます。計算すると、年間500万円くらいの収入になりそうです。なんとかやっていける目処が立ち、佐藤さんもほっとひと安心です。とはいえ、なんといってもひとり暮らしのフリーランスです。蓄えができる前に、病気やケガで仕事ができなくなっては困ります。

 

そこで、就業不能保険に入っておくことにしました。

 

仕事は軌道に乗ったものの、老後にやや不安を覚える佐藤さん。独り身の佐藤さんにとって、いざというとき頼りになるのはなんといってもお金です。蓄えはあるに越したことはありません。佐藤さんは70歳まで働こうと決意しました。もっと言えば、その先もできるだけ長く働きたいのが本音です。

 

ところで、佐藤さんにはひとつこだわりがありました。佐藤さんは大の旅行好きです。会社員時代は年に2回の旅行がなによりも楽しみでした。

 

会社を辞めた直後はやりくりがキツイこともあり、大好きな旅行もお預けでした。しかし、ようやく仕事が安定してきたいま、60歳から毎年の旅行を再開したいと計画しています。「旅行は私のエネルギー源なの。ここだけは譲れない!」と、佐藤さんは力説します。たしかに、好きなことをやっていると、元気が湧いてきます。生活に張り合いも出ます。佐藤さんの希望を無下にはできません。では、これらを組み込んでシミュレーションし直してみましょう。

 

65歳以降は同じ仕事量をこなせるとは限りませんから、65歳から70歳までの収入は300万円に落とします。そして、生活費とは別枠で、旅行費の30万円を支出にプラスします。あらら、困りました。80歳の後半からは老後資金が心細くなって、92歳でつきてしまいます。ひとり暮らしで貯蓄がなくなるのは、かなり心配です。病気になったり、介護が必要になる可能性を考慮に入れると、絶対に避けたい事態です。

 

出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。
出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。

 

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