内閣府では18歳以上に対して、離婚と子育てに関する国民の意識する世論調査を行いました。その結果からみえてきたのは、結婚と離婚に対する男女の意識の差でした。みていきましょう。
なぜ男は「離婚はしないと拒否」し、女は「あっさり結婚を諦める」のか【世論調査で判明】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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結婚…男女に微妙な考え方の差

もし結婚しているなら、振り返ってみてください。

 

――なぜ、結婚したのか?

 

内閣府『離婚と子育てに関する世論調査』によると、結婚の目的・意義について、心安らげる場所である家庭を築くこと」が最も多く71.2%。「愛するパートナーと生涯を共に過ごすこと」64.8%、「二人の間に子どもをもうけて育てること」42.2%、「二人が経済面や家事の分担で助け合って生活すること」41.0%)と続きます。

 

男女別にみていくと、男性のほうが優位なのは、「パートナーと生涯を過ごすこと」「子どもをもうけて育てること」、女性のほうが優位なのが「心安らげる家庭」「助け合い」。結婚に対する男女差がみてとれます。

【男女別…結婚の目的・意義】

「心安らげる場所である家庭を築くこと」69.4%/72.6%

「愛するパートナーと生涯を共に過ごすこと」68.7%/61.7%

「二人の間に子どもをもうけて育てること」47.1%/38.1%

「二人が経済面や家事の分担で助け合って生活すること」37.6%/43.9%

「親や周囲を安心させること」24.8%/23.2%

「付き合ってきたけじめをつけること」8.8%/5.6%

 

出所:内閣府『離婚と子育てに関する世論調査』

※数値左:男性、数値右:女性

離婚に対しての男女差は?

結婚に対する目的や意義が異なっても、結婚に至ったふたりですが、別れを選択する日本人は、2020年の1年間で19万3,253組(厚生労働省『人口動態調査』。都道府県別に離婚率をみていくと、最も高いのは「沖縄県」。人口1,000人当たり2.3件と突出しています。

 

【都道府県別「離婚率」ランキング】

1位「沖縄県」2.322

2位「宮崎県」1.780

3位「福岡県」1.743

4位「北海道」1.735

5位「大分県」1.680

6位「大阪府」1.677

7位「高知県」1.660

8位「和歌山県」1.656

9位「福島県」1.619

10位「熊本県」1.608

 

出所:厚生労働省『人口動態調査』(2020年)、総務省『国勢調査』(2020年)から算出

※数値は人口1,000人当たり

 

結婚に対しては、多少の男女差があることがわかりましたが、離婚に対してはどうでしょうか。離婚は子どもの有無によって意識は異なるものでしょう。

 

未成年の子どもがいない場合は、離婚はさけたほうがいい(「できるだけ避けたほうがいい」「しない方がいい」の合計)という意見が1割強でしたが、未成年の子どもがいる場合は4割弱になります。

 

男女別にみると、男性よりも女性のほうが、子どもがいる場合でもいない場合でも、離婚に対して前向きであることがわかります。

 

【男女別…離婚に対する考え方】

■夫婦の一方でも離婚を望んでいるのであれば、離婚した方がよい

子ども無し:39.5%/44.8%、子ども有:18.5%/ 26.1%

■夫婦の双方が離婚を望んでいるのであれば、離婚した方がよい

子ども無し:42.8%/43.3%、子ども有:32.9%/39.5%

■夫婦の双方が離婚を望んでいても、離婚はできるだけ避けた方がよい

子ども無し:12.2%/7.4%、子ども有:39.6%/28.2%

■いかなる場合も離婚はしない方がよい

子ども無し:3.5%/1.9%、子ども有:5.5%/2.6%

 

出所:内閣府『離婚と子育てに関する世論調査』

※数値左:男性、数値右:女性

 

離婚原因は夫婦それぞれあるでしょう。ただ結婚・離婚に対する考え方をみていくと、男性のほうが結婚にしがみつくタイプが多いようにみえます。

 

結婚に対して、男性は「一生涯続けるためのもの」であり「子どもをもうけるためのもの」という、どこか世間体を意識する傾向が強く、女性は「温かい家庭をつくるためのもの」であり「男女支えあうもの」という意識が強い傾向がります。

 

そのため、信頼関係に変化が生じた際、男性は「世間体があるのだから離婚なんて!」と考え、女性は「結婚を続けても意味がない!」と考えるのでしょう。この男女の考え方の違いが、離婚をややこしくしている要因かもしれません。