子どものころ「教室に何人いたか」覚えていますか? 世代によって、1学級45名とか、40名とかさまざまです。高齢者になってくると、50名というのも普通のことだったようです。しかしこの基準、世界からすると驚きの対象なのだとか。みていきましょう。
日本人よ、なぜこんなに狭いところに…欧米も驚く「日本の教室環境」 (※写真はイメージです/PIXTA)

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1教室あたりの子どもの数…日本は世界でもトップクラス

拡大の一途を辿っている新型コロナウイルス感染の第六波。文部科学省は、新型コロナウイルス感染に伴う小中高校の臨時休校や学級閉鎖の期間を「5日程度」と従来から短縮した新たなガイドラインを全国の教育委員会などに通知しました。

 

現在の新型コロナウイルス対策の評価はさておき、教室という密集した環境下で、感染を広げないために、現場はさまざまな苦労があるようです。そもそも日本では教室に子どもたちが多すぎる、という声があります。

 

主要国の「平均学級規模」をみていくと、日本は小学校でも中学校でも第2位の密集度を誇ります。

 

【世界主要国「小学校 平均学級規模」トップ10】

1位「チリ」31.0人

2位「日本」27.2人

3位「イスラエル」26.2人

4位「イギリス」26.0人

5位「メキシコ」24.1人

6位「オーストラリア」23.4人

7位「韓国」23.0人

8位「トルコ」23.0人

9位「コロンビア」22.8人

10位「フランス」22.6人

 

【世界主要国「中学校 平均学級規模」トップ10】

1位「コスタリカ」33.3人

2位「日本」31.9人

3位「チリ」30.3人

4位「コロンビア」29.7人

5位「イスラエル」28.0人

6位「メキシコ」26.6人

7位「韓国」26.1人

8位「フランス」25.4人

9位「スペイン」25.3人

10位「トルコ」25.1人

 

出所:OECD(2019年)

 

戦後、急激に子どもの数が増加したころは、教室はまさにすし詰め状態。昭和30年代は1教室当たりの定員数(学級編制)は50人でした。東京五輪が開催された1964年以降、45人となり、1980年からは40人に。昭和時代の人にとって、前後左右、椅子をひく余裕もないくらいの教室の風景が懐かしくもあります。

 

さらに昨年3月、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」により、学級編制の標準を5年間かけて計画的に40人(小学校第1学年は35人)から35人に引き下げることになりました。ちなみに、人数の引き下げは40年ぶり。

 

少人数学級実現に向けての第1歩ではありますが、世界からすると、まだまだ日本の学校の“混雑”は驚きの対象。「日本は電車だけじゃなく、教室も混んでるね」と揶揄する外国人もいるほどです。