受験シーズンも中盤。合格の知らせも徐々に届くなか、親として気になるのは進学費用。「ちゃんと子どもを大学に通わせることはできるのだろうか」。そんな不安を抱えている人も少なくないでしょう。いまどき、大学進学にはどれほど費用がかかるのか、みていきましょう。
年収400万円未満の会社員…我が子の「大学進学」でお金が足りず、生活を犠牲に (※写真はイメージです/PIXTA)

子どもを大学に通わせたいけど、お金がない…どうしてる?

仮に私立大学文系に進学、かつ自宅外からの通学となった場合、1年目は350万円近い出費となります。

 

――やはり、子どもを大学を通わせるのは大変だな

 

そう思った親も多いでしょうか。世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる費用の合計)は、平均16.3%。年収別にみてみると、「200万~400万円未満」で37.5%、「400万~600万円」で22.5%、「600万~800万円未満」で19.9%、「800万円以上」で13.3%でした。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員の平均年収は487万2,900円で、年収400万円未満は推計47.06%。実際に子どもを大学に通わせることが大きな負担になっている家庭は多いことがうかがえます。

 

そのようななか、なんとか教育費を捻出するために、何をしているのでしょうか。最も多いのが「教育費以外の節約」で32.7%。節約している支出で最も多いのが「外食費」で62.6%。「旅行・レジャー費」、「衣類の購入費」、「食費(外食除く)」と続きます。

 

【教育費の捻出方法…上位7】

「教育費以外の支出の節約」32.7%

「預貯金や保険などの取り崩し」23.5%

「在学者本人がアルバイト」22.9%

「奨学金」17.0%

「残業等で労働時間を増やす」11.9%

「共働きを始める」10.3%

「親族からの援助」5.4%

「特に何もしていない」31.6%

 

【節約している支出…上位7】

「外食費」62.6%

「旅行・レジャー費」60.3%

「衣類の購入費」41.1%

「食費(外食除く)」35.7%

「バッグ、アクセサリーなどの身の回り品、装飾品の購入費」27.8%

「保護者のこづかい」24.9%

「保護者の習いごとや趣味などにかかる教育娯楽費」11.0%

 

出所:日本政策金融公庫による令和元年度『教育費負担の実態調査結果』より

 

日常の楽しみであった外食や外出を減らし、食費や服飾費も節約し、何とか子どもを大学に通わせる……親の苦労のうえ子どもが大学に通う、それが日本の実態です。