大学受験シーズン到来。大学入学共通テストの難化などに注目が集まっています。本記事では、桃山学院大学経済学部教授の中村勝之氏が、「大学業界」の知られざる現状について解説していきます。
経済学の視点で紐解く…大学で「学部」「学科」が増設される背景 (※写真はイメージです/PIXTA)

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「四年制大学」の総数拡大…大半は私立が支えている

図表1は1978~2020年度にかけて設置されている四大および短大数の推移を示している。

 

 [図表1] 四大・短大数の推移

 

まず、四大から確認すると、1978年度においては国公立120大学、私立313大学の計433大学が設置されている。そこから着実に増加し、1990年度には国公私立合わせて507大学、1998年度には604大学、2003年度には702大学まで達する。しかし、その後の伸びは鈍化し、2010年度頃から横ばいになる。

 

この図からも分かるが、四大数拡大の大半は私立が支えている。事実、2020年度の四大設置数は国公私立合わせて1978年度の約1.84倍になっているが、それを寄与率で見れば実に83.43%が私立の拡大によるものである。

 

※寄与率の定義は以下の通りである。たとえば、X=A+Bで捕捉されるあるデータがあったとする。このとき、全体の変化ΔXに占めるAの変化ΔAの割合のことを言う。

短大は、ほとんど「私立」によって支えられている

一方、短大の推移を見ると、1978年度に国公立83短大、私立436短大の合計519短大であったが1980年代半ばから徐々に増加し、1990年度に国公立95短大、私立498短大の合計593短大に達する。その後しばらくは横ばい傾向が維持されるが、1998年度から低下が始まる。

 

この動きに歯止めはかからず、2020年度には国公立17短大、私立306短大の合計323短大にまで落ち込んでいる。

 

これはピーク時(1996年度の598短大)の54.01%の水準である。四大以上に短大における私立の比重が高い中で国公立の設置数減少の影響は大きく、短大はほとんど私立によって支えられていると言っても過言ではない状況にある。