英語で苦情を言うときには、理由や背景を伝え、「正当化」することがとても重要な役割を果たします。論理的で相手を動かせる「英語での苦情」について、Q‐Leap株式会社の代表取締役副社長、愛場吉子氏が解説していきます。 ※本連載は、書籍『話す英語(実戦力徹底トレーニング)』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。
日本人なら察してくれるが…旅行先のホテルにて「英語で苦情を言う」ポイント (※写真はイメージです/PIXTA)

実戦!「旅行先でホテルに苦情」例文をチェック

あなたが旅行先でホテルにチェックインしようとしたところ、フロント係から予約記録がないと言われました。予約をしたのはあなた自身で、確認証(confirmation voucher)も持っています。間違いだと指摘し、再確認を依頼するセリフを考えていきましょう。

 

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相手:I’m sorry, but we have no record of your reservation.

 

あなた:【①前置き】Well,【②苦情】that must be a mistake.【③正当化】I booked the room myself a month ago. Here is the confirmation voucher. 【④対応の要求】Can you check again just to make sure?

 

【訳】

 

相手:申し訳ありませんが、お客さまのご予約記録がございません。

 

あなた:ええと、それはきっと間違いですね。1ヵ月前、私が自分で部屋を予約しました。ここに確認証があります。念のため、もう一度確認してもらえますか?

 

【解説】

 

ここでのように、明らかに相手側の誤りであることが分かっている場合には、助動詞must (~に違いない)を使ってthat must be a mistakeのように伝えることが可能です。

 

③のHere is the confirmation voucher. は、I have the confirmation voucher here.と言ってもOK。④のjust to make sure(念のため)は、確認を依頼する際に便利な表現で、きつい要求になるのを和らげる働きをします。もう少し強く要求したければ、Can you check again, please?などとすればいいでしょう。

 

■苦情の正当化には「証拠」が有効

 

英語で苦情を言うときには、「正当化」の部分がとても重要な役割を果たします。日本人同士の会話では、軽く指摘するだけで、相手が意図を察して謝ってきたり、早急に対応してくれたりしますが、異なる言語や文化圏においては、そうはいかないことが多いのです。苦情を言っている理由や背景を、誰もが納得するように理路整然と伝えましょう。

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その際、「証拠」を提示するのが一番です。例えば、「レシートにこうある」「ウェブサイトに掲載されている」「契約書に記載されている」「このような案内を受け取った」「あなたがメールにこう書いていた」などです。証拠を示しながら正当性を訴えることができるように、記載内容を引用して話す練習をしておくといいでしょう。

 

 

愛場 吉子

Q‐Leap株式会社 代表取締役副社長