世帯収入が中央値の1/2未満…生活苦が6割
親の状況によって大きく左右される貧困。次に生活のゆとりについてみていくと、「生活が苦しい(「苦しい」「大変苦しい」の計)」と回答したのは中央値以上の世帯で9.0%に対し、貧困層で57.1%。同じように二人親世帯で「生活が苦しい」と回答したのは21.4%なのに対し、ひとり親世帯では51.8%にもなります。
また生活苦について、こんな質問。
「食料が買えないことがあった(「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」)」のは中央値以上で1.9%に対して、貧困層では37.7%。3世帯に1世帯はお金が足りず、食べ物も買えず……、そんな経験をしています。
また衣服に関してもこんな質問。
「衣服が買えないことがあった」のは中央値以上で4.2%に対して、貧困層では45.8%にもなりました。
さらに公共料金の支払いについて。
電気、ガス、水道、いずれか1つでも払えなかったのは、中央値以上で0.9%に対し、貧困層は20.7%。5世帯に1世帯という水準です。
食べるものも買えず、着るものも買えず……生活困窮の現状。さらに調査ではうつ病や不安障害などの心の不調を確認するための、6項目の心の健康チェックである「K6」を使いスコアを算出しています。それによると重症精神障害相当とされる13点以上が、中央値以上5.4%だったのに対し、貧困層では22.4%。貧困によって心までも蝕んでいる状況が明らかになっています。
報告書では「新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、そうした世帯(収入が低い水準の世帯やひとり親世帯)での生活の状況がさらに厳しくなっている可能性があります」としています。さまざまな支援策が行われていますが、本当に必要な世帯に届けられているのか……考えていかなければなりません。