近年「共働き世帯」が増えています。世帯収入は夫婦合算、生活に余裕があり、貯蓄も増える一方……と考えがちですが、総務省『家計調査家計収支編』をみてみると、そうでもないことがわかりました。収入は多くてもお金は貯まらない、共働き夫婦についてみていきます。
高収入でもお金は貯まらず…消費旺盛「パワーカップル」の行く末 (※写真はイメージです/PIXTA)

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家計に余裕のある共働き…黒字率も高い?

結婚、出産しても仕事を続けることが当たり前になりつつ昨今、共働き家庭は増加しています。給与が思うようにあがらないといわれているなか、共働きによって世帯収入が増えるわけですから、家計にとってもプラスでしょう。

 

総務省『家計調査家計収支編』(2020年)によると、2人以上勤労世帯のうち「世帯主の配偶者のうち女の有業率」は全国平均54.7%。世帯主が無職で女性が働いているケースもあり、あくまでも推測ではありますが、勤労世帯において5割程度が共働きだといえそうです。

 

都道府県別にみていきましょう。2018年~2020年の2人以上勤労世帯「世帯主の配偶者のうち女の有業率」の平均値で比較します。最も高いのは「鳥取県」で64.0%。「長野県」「新潟県」「三重県」「石川県」と続きます。一方で最も低いのは「和歌山県」で38.9%。「神奈川県」「宮城県」「沖縄県」「奈良県」と続きます。

 

【都道府県「共働き率」ランキング】

1位「鳥取県」64.0%

2位「長野県」63.2%

3位「新潟県」62.3%

4位「三重県」60.1%

5位「石川県」60.0%

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43位「奈良県」43.9%

44位「沖縄県」42.4%

45位「宮城県」42.3%

46位「神奈川県」40.6%

47位「和歌山県」38.9%

 

出所:総務省『家計調査家計収支編』より作成

※2018~2020年、2人以上勤労世帯「世帯主の配偶者のうち女の有業率」の平均値

 

また共働きとなると、家計的にも余裕が生まれ、黒字率が高くなると考えられます。総務省『家計調査家計収支編』(2020年)によると、2人以上勤労世帯の黒字率は平均38.7%。前出同様、2018年~2020年の平均値で地域別にみていきます。

 

最も黒字率が高いのは「福井県」で40.9%。「新潟県」「和歌山県」「埼玉県」「富山県」と続きます。一方で黒字率が低いのは「宮城県」で27.0%。「福岡県」「宮崎県」「兵庫県」「岡山県」と続きます。

 

【都道府県「黒字率」ランキング】

1位「福井県」40.9%

2位「新潟県」39.4%

3位「和歌山県」38.6%

4位「埼玉県」38.3%

5位「富山県」38.2%

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43位「岡山県」30.2%

44位「兵庫県」30.1%

45位「宮崎県」29.8%

46位「福岡県」27.6%

47位「宮城県」27.0%

 

出所:総務省『家計調査家計収支編』より作成

※2018~2020年、2人以上勤労世帯「黒字率」の平均値