コロナ禍によって、生活に困窮する人が増えていますが、一方で、周囲から羨まれるほどの「高給取り」の人たちもいます。なかでも夫婦ともに正社員で高収入という「パワーカップル」は、コロナ禍でも余裕を醸し出しているかのように見えます。実際のところはどうなのでしょうか?
夫婦ともに年収700万円超…「パワーカップル」を待つ厳しい未来 (※写真はイメージです/PIXTA)

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夫婦で正社員、年収700万円以上…「パワーカップル」はどこにいる?

パワーカップルという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 

夫婦とも高収入であること表す言葉として、最近、耳にする機会が増えています。その定義は特に決められていませんが、「世帯年収が1,000万円以上で、夫婦ともに正社員であること」「夫婦ともに年収700万円以上であること」などがよくいわれている指標です。消費意欲が高く、また年齢は30代から40代前半の夫婦を指すことが多いようです。

 

ここからは、夫婦ともに年収700万円以上というカップルについて考えていきます。

 

最新の平均賞与額(月給の4.5ヵ月分)から逆算すると、月収は42万円以上となります。それをクリアする会社員がどれほどいるのでしょうか。厚生労働省『賃金構造基本統計調査』を見ていきます。なお統計上、月給45万円以上をカウントしていきます(関連記事:『【男女別】大卒正社員「月給の中央値」と「給与分布」』)。

 

まず大卒男性正社員の月給の中央値は34万3,900円。年収換算すると、大卒男性正社員の推定年収は567万円ほどになります。

 

そのうち年収700万円以上と推測されるのが、30代前半では7.9%、30代後半では17.5%、40代前半では31.8%。全体で28.5%の大卒男性会社員が年収700万円以上だと考えられます。

 

続いて、大卒女性正社員の月給を見ていくと、中央値は25万8,900円。年収換算すると、大卒女性正社員の推定年収は427万円ほどになります。

 

そのうち年収700万円以上と推測されるのが、30代前半では8.2%、30代後半では13.5%、40代前半では18.9%。全体で12.5%の大卒女性会社員が年収700万円以上だと推測されます。

 

大卒正社員で、男性なら約3割ほどが年収700万円を超えています。女性については年収700万円超えはたった1割程度。さらにその組み合わせと考えると、パワーカップルの存在はいかに特別な存在かがわかるでしょう。