日本は世界でも有数の長寿国として知られています。一方で社会問題となっているのが、高齢者の貧困。65歳以上の生活保護者は100万人を超えているといいます。生活苦に陥る日本の高齢者の実情をみていきましょう。
「65歳以上の生活保護受給者」100万人超え…長生きがリスクとなる日本の現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

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高齢者100人に対して3人が「生活保護」を受けている

――年金だけでは暮らせない

 

もはやこれは周知の事実。政府も「老後、年金だけでは不十分」と認め、資産形成の重要性を説いています。足りない分は貯蓄の取り崩しで生計を立てていくしかない老後ですが、必ずしも、全員が満足いく年金を受け取れるとも限りませんし、十分な貯蓄があるとも限りません。もしお金が足りず、暮らしていくことができなかったら。ひとつの選択肢が、生活保護です。

 

厚生労働省『令和2年度被保護者調査』によると、生活保護を受けている被保護人員は202万6,730人で、そのうち65歳以上は105万4,581人。全体の52%が高齢者です。また総務省が昨年行った国勢調査によると、全国の65歳以上は3,533万5,805人。高齢者の3%程度が生活保護を受けているのが現状です。

 

高齢者100人に対し3人という数字に対する評価は分かれるところですが、高齢化がさらに進んでいく状況では、問題はさらに深刻になっていくと考えられます。

 

なぜ生活苦の高齢者は増えていくのでしょうか。

 

昔の日本では、3世代同居が当たり前。それが核家族化が進み、高齢者のみの世帯が増えました。それでも「子どもからの仕送り」が期待できた時代もありましたが、経済が停滞している昨今。子ども世帯の収入も増えず、とても親世帯まで気をまわす余裕などありません。

 

さらに単身の高齢者世帯も増加の一途を辿り、孤独死など問題が顕在化しています。最新の国勢調査の結果によると、単身高齢者の人数が多いのは「東京都」で81万1,408人。「大阪府」56万7,399人、「神奈川県」45万9,724人、「北海道」36万1,735人、「埼玉県」33万2,963人と続きます。東京都の場合、総人口1300万人のうち6%が単身高齢者という計算です。

 

また、本来は喜ぶべき長寿社会も高齢者の生活苦に拍車をかけています。厚生労働省『令和2年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は女性は87.74歳、男性が81.64歳。日本の平均寿命は伸び続けていて、いまから10年ほど前の2010年、男性は79.55歳、女性は86.30歳でした。さらに10年さかのぼった2000年は男性77.72歳、女性84.60歳。さらに10年さかのぼった1990年は男性75.92歳、女性81.90歳。この30年あまりで男性は5.72歳、女性は5.84歳、平均寿命は伸びたことになります。

 

またある年齢であと何年生きられるか、平均余命でみていくと、仮にいま50歳だったら、男性はあと33.12歳、女性はあと38.78歳、仮にいま60歳だったら、男性はあと24.21歳、女性はあと29.46歳、生きることができます。あくまでも期待値ではありますが、平均余命もこの30年で大きく伸びたことは平均寿命と同様です。