子どもが不登校になったら、保護者は愕然としてしまうかもしれません。 しかし「学校にさえ行ってくれたら」と思ってしまうと、子どもはその期待に応えられない自分を責め、さらに学校に行きづらくなるという悪循環を生みます。 ※本記事は、自らも不登校児の親としてこの問題に対峙し、フリースクールを設立した、ほしな和生氏の著書『子どもが不登校になったら』から一部を抜粋・編集したものです。
不登校児の保護者の悩み「子が家から出ないんです」フリースクール経営者のアドバイス (※画像はイメージです/PIXTA)

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保護者からの悩み相談…フリースクール経営者の答えは

質問1:「子どもが家ではゲームばかりしています。取り上げてもいいでしょうか?」

 

不登校になる子どもの多くが、ゲームに没頭するのはよくあります。特に男子にはその傾向が強そうです。ゲームは、家で過ごす子どもの心の拠りどころになっていますので、取り上げても何も物事は好転しませんし、むしろ悪化すると思われます。

 

ゲームをしていれば、嫌なコトを忘れられる、ということも大いにありますし。これは、[現実逃避]というよりは、[心の充電]と捉えた方がいいかもしれませんね。

 

目が悪くなる、昼夜逆転する、ゲームの世界と現実が区別できなくなる。そう、いろいろ親の立場から見るとゲームのデメリットが目立つため、なんとか長時間するのはやめさせたいですよね。その気持ちはとてもよくわかります。私の子どもも、ゲームで目が悪くなりましたし。

ゲームにもメリットはたくさん存在する

けれども、実はゲームにもメリットがいっぱいあるんです。今は、オンラインで友達と一緒にゲームを楽しめます。見ず知らずの人とも、ゲームを通して仲良くなれる。コミュニケーションの取り方もここから学べる。ネットワークで世界中とつながれますので、例えば外国人と会話したければ、「英語をもっと勉強していろいろな外国人と話したい」と子どもが自ら言い出したりします。

 

趣味が合う人と出会えれば、ゲーム以外の話題でも楽しく会話できる、などなどのメリットも。ゲームに没頭する、それはそれでありだと思うのです。

 

ほんまもんのゲーマーを目指して、大会に出て自分の実力を知るのも一つの経験です。その結果、[ゲーマーの超厳しい現実]を思い知るかもしれません。ですので、私のフリースクールでは、ゲームOK、スマホ、タブレット、何でもあり、制限なし、です。

 

でも来ている子どもたちは、そんなに言うほどゲームやスマホばっかりはしません。ゲームより面白いことを見つけると、子どもはそっち優先になります。絵を描くのが好きな子は、絵ばかり描いています。外遊びするよー、と誘えば、みんな外に出ます。それでいいんです。

 

とりあえずゲームを含め、好きなコトを子ども時代は思う存分することが、この時期とても大切だと思うのです。

 

もしゲームの時間制限をどうしてもしたいのであれば、きちんと理由を説明して、お子さんの了承を得た上で、遊ぶ時間を一緒に設定してくださいね。