東京23区では「世田谷区」が一番家が広く、「新宿区」が一番家が狭い
さらに細かくみていきましょう。まず全国最下位となった東京都、23区だけに焦点をあてます。最も家が広いは「世田谷区」で26.24畳。続くのが「目黒区」で25.97畳。「港区」「葛飾区」「練馬区」と続きます。一方で最も家が狭いのが「新宿区」で20.42畳。続くのが「豊島区」で20.43畳。「中野区」「中央区」「板橋区」と続きます。同じ東京23区でも、1位と23位では6畳ほどの差が生じています。
次に市区町村単位でみていきましょう。最も家が広いのは「石川県珠洲市」で64.2畳。全国平均の倍近くの広さです。珠洲市は能登半島の先端に位置し、本州にある市のなかでは最も人口が少ないことでも知られています。第2位は「石川県志賀町」で64.14畳。能登半島中央部に位置し、前出の珠洲市より多くの人口を抱えています(関連記事:『市区町村「家の広さ」ランキング・ベスト100位…都道府県別、東京23区別も発表』)。
一方で、最も家が狭いのは「大阪府大阪市浪速区」で16.15畳。大阪都心6区のひとつで、大阪を代表する繁華街「難波」のある町です。「大阪市西成区」19.62畳、「福岡市博多区」19.62畳と続きます。
【市区町村「1住宅あたり居住室の畳数」下位10】
1位「大阪府大阪市浪速区」16.15畳
2位「大阪府大阪市西成区」19.62畳
3位「福岡県福岡市博多区」19.62畳
4位「大阪府大阪市中央区」20.14畳
5位「大阪府大阪市東淀川」「20.36畳
6位「東京都新宿区」20.42畳
7位「東京都豊島区」20.43畳
8位「東京都中野区」20.79畳
9位「東京都中央区」21.00畳
10位「大阪府大阪市北区」21.18畳
総務省『平成30年住宅・土地統計調査』
さらに「居住室の畳数5.9畳以下の住宅の割合」をみていくと、最も割合が高いのは「大阪市西成区」で全住戸のうち8.96%が居住スペース5.9畳以下の極狭物件です。続くのが「熊本県益城町」で4.37%。1位と2位に倍近くの差があることからも、「大阪市西成区」の極狭物件の多さはずば抜けています。
【市区町村「居住室の畳数5.9畳以下の住宅の割合」上位10】
1位「大阪府大阪市西成区」8.96%
2位「熊本県益城町」4.37%
3位「静岡県小山町」4.21%
4位「三重県いなべ市」2.90%
5位「茨城県阿見町」2.86%
6位「神奈川県寒川町」2.81%
7位「埼玉県さいたま市桜区」2.63%
8位「東京都中野区」2.59%
9位「神奈川県川崎市多摩区」2.16%
10位「東京都杉並区」2.14%
総務省『平成30年住宅・土地統計調査』
やはり地価や家賃の高い都市部では「広い家に住みたい」という夢が叶えにくい実情がみえていきました。都市の利便性をとるか、それとも郊外でも家の広さをとるか、なかなか難しい選択です。