東京都心では、マンション価格がバブル超え。「そんな高いマンションを買えるか……」と思わず悪態をついてしまう水準です。いま、会社員が買える街とは。今回、焦点をあてるのは、東京メトロ東西線の「南砂町」。
風俗街があり、治安は微妙か⁉「五反田」のファミリー向けマンション ※画像はイメージです/PIXTA

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都内有数の歓楽街「五反田」…意外な一面も

東京都品川区の北部に位置する「五反田」駅。JR山手線、東急電鉄池上線、都営地下鉄浅草線が接続。コロナ禍前の2019年、JR駅の1日の乗車数は約14万人、東急駅の乗降者数は約11万人、地下鉄駅は約7万人ほどのターミナル駅です。

 

JR山手線利用で「渋谷」7分「新宿」14分、「品川」6分「東京」19分。都営地下鉄浅草線利用で「新橋」11分、「日本橋」16分。駅東側エリアであれば、「大崎」や「品川」も徒歩圏内です。

 

五反田は大きく3つの顔を持っています。ひとつめが「高級住宅街」としての顔。周辺には「城南五山」の「島津山」「池田山」「御殿山」などの住宅地があります。

 

これらは江戸時代、大名屋敷や幕府の施設が集中し、その流れを汲むエリアです。東五反田五丁目周辺の「池田山」は岡山池田藩の下屋敷があったこと、東五反田三丁目周辺の「島津山」は薩摩島津公爵家の邸宅があったこと、北品川四丁目周辺の「御殿山」はかつて徳川家康が建立したとされる「品川御殿」があったことに由来します。

 

2つ目の顔は「歓楽街」としての顔。大正時代、五反田周辺で鉱泉が発見され、温泉旅館がが次々と誕生。やがて花街として発展しました。関東大震災で東京東部が壊滅的な被害を受けると、東京西部にあった五反田の花街化はさらに進みます。1925年には三業地(料亭、置屋、待合)として認定され、芸者屋58軒、芸者220人、料理店25軒、待合45軒を有する、東京屈指の花街へと変貌を遂げていきました。

 

時代の流れのなかで花街としての機能は低下し、東五反田1丁目あたりには、次第に飲食店や風俗店、ラブホテルなどが集積。都内でも有数の歓楽街へと変貌をとげていきます。

 

3つ目の顔は「スタートアップ企業の集積地」としての顔。近年、目黒川沿いにITのスタートアップが集積。アメリカのシリコンバレーを模して「五反田バレー」と呼ばれるようになりました。きっかけは、IT企業が集積する渋谷周辺の家賃高騰。創業間もないスタートアップ企業はオフィスを構えることができず、そこで目をつけたのが五反田。業界でも名を馳せる企業が五反田発で登場すると、集積スピードは増し、現在では400社以上の企業が集まっています。