子どもが不登校になったら、保護者は愕然としてしまうかもしれません。 しかし「学校にさえ行ってくれたら」と思ってしまうと、子どもはその期待に応えられない自分を責め、さらに学校に行きづらくなるという悪循環を生みます。本記事では、不登校児の親としてこの問題に対峙してきた、ほしな和生氏の著書『子どもが不登校になったら』から一部を抜粋・再編集し、「不登校の子ども」との向き合い方について考えます。
玄関で涙を流して泣き崩れた…中学1年生の我が子が「不登校」になった理由【フリースクール設立者の実話】 (※画像はイメージです/PIXTA)

 

当初私は途方に暮れました。自分には学校に行きたくない、となった経験がなく、周りにもそのような子どもがおらず、一体どうしたらいいのかさっぱり見当がつかず。学校の担任は、右も左もわからない二十四歳のほやほや新任で、何もしてくれず。部活の顧問の先生も、そのような子どもに特別対応することはできないとのこと。学校は全く何もしてくれない、何も教えてくれない状況でした。

 

そこで私は仕事を休み、必死でパソコンに向かい[不登校]のキーワードをひたすら検索。そして、ようやく相談できそうな私設の場所を見つけ、子どもと早速訪ねました。相談に乗ってくださったその担当の方がたまたま良かったんですね、本当に運良く。私は不安な気持ちを落ち着かせることができ、子どもも気さくにいろいろ話せたみたいです。

 

何より、子どもの得意なことを宿題で出してくださることになり、毎日子どもはその宿題に生き生きと取り組み始めました。せっかく家に居るんやからと、私からは何でもいいから本を読むことと、家の手伝いもお願いしました。

心療内科で診てもらおうと思ったが…「予約制です」

当時相談した旧友には、子どもを心療内科でも診てもらった方がいいと勧められて、近くの病院をいろいろ探しましたが、どこも「予約制です」とのことで、すぐに受診できず。

 

そこで小児科で心療内科もやっているところを教えてもらって行ってみたものの、その問診内容、診断が私以上に子どもを全く理解していない発言だったので、私は頭に来て「もういいです」と心の中で思いました。私が一番子どもと一緒に居る時間が長いのに、知ったかぶって子どもが居る前で傷つくようなことを言わんといて、と無性に腹が立ちました。

 

おそらくちゃんと心療内科専門の先生に掛かっていれば、きちんと何かアドバイスをもらえたのかもしれませんが、私はこの時、「自分がなんとかする、医者には相談しない」と強く思いました。私が子どものことを一番身近に見てきて、一番理解しているつもりでしたから。

 

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ほしな 和生

大阪府立大学卒業。 某大企業勤務時代に小学校への出前授業を一から企画、教材開発し、講師として教壇に立つ。 延べ1万人の子どもたちに授業を実施。 出前授業は「キッズデザイン賞」、「おおさか環境賞」大賞受賞。 その後独立してフリースクールを立ち上げ、学校に行っていない子どもとその保護者のサポート支援に従事。 趣味はバンド活動、動植物飼育、日本酒、旅行など。