子どもの発熱…病院に行ったほうがいいのは「いつ」「どんなとき」? 【専門家が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが熱を出してしまったら、とても心配ですよね。新型コロナウイルスが世界的に流行している最中では、いっそう「うちの子、大丈夫かな…」「すぐ病院に行かないと!」と思う親御さんもいるでしょう。本記事では、小児科医師で、帝京大学大学院公衆衛生学研究科教授の高橋謙造氏が、病院に行ったほうがいいケースや家庭でできる対処法を解説します。

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9月以降、「子どもの夏風邪」が流行中

子どもが発熱しても、すぐに病院を受診する必要はありません。

 

コロナ感染の波が一旦落ち着き、ママ・パパたちは一安心というこの時期、幼稚園、保育園などの集団生活に入っているお子さんたちは発熱しがちです。

 

感染症研究所が毎週出しているIDWR感染症週報という情報源によると、喉の奥に真っ赤な口内炎ができるヘルパンギーナや、口、手の平、足裏などに発疹ができる手足口病などの発熱性疾患は、例年であれば真夏に流行のピークが来て、夏風邪と言われますが、今年は9-10月になって目立ちだし、11月も半ばになった今も感染は終息していません。

 

本稿では、なぜこの時期になって発熱性疾患が目立つのか、どうすればいいのかについて考えてみます。

アルコール消毒では「夏風邪ウイルス」を予防できない 

夏風邪のウイルスは接触・飛沫によって感染

夏風邪の原因ウイルスとして有名なのは、コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどですが、実はこれらのウイルスにはアルコール消毒の効果がありません(新型コロナウイルスには効果あります)。

 

では昨年はなぜ流行らなかったかといえば、おそらくは、子どもたちの接触機会が極端に減少したことにあったと考えられます。しかし、今年は、新型コロナへの対応に慣れた園が、子どもたちの受け入れに積極的になったことで、集団接触の機会が増えました。その結果、ウイルスが拡がる機会が増えたものと思われます。

 

2歳未満においては、マスクの装着はむしろ危険、という提言が日本小児科学会から出ていることもあり、0-3歳くらいまでのお子さんはマスクなしで保育を受けているでしょう。そうすると、お互いにウイルスを持ち寄ることになり、どうしても感染が拡がってしまいます。

 

これらのウイルスは、接触、飛沫感染が主なので、アルコール消毒以外に手洗いを徹底できればいいのですが、小さなお子さんだとどうしても手洗いは難しいですよね。「保育園でうつされた!」と怒る親御さんがいますが、保育園側は十分に対策をとってくれていても、ウイルスの性質上どうしても仕方がないことなのです。

温める?涼しくする?発熱しているときの対処法

お熱への対処法について、簡単にまとめてお伝えします。

 

病原体が身体に入ってくると発熱するのは、体温を上昇させて病原体の繁殖を抑え込み、自分の免疫力を活性化させるためです。また高熱で脳障害が心配になるかもしれませんが、42度程度を超えない限り、脳障害は生じません。つまり、発熱によって、病原体の繁殖は弱り、免疫力は活性化し、脳障害も生じないのですから、発熱は有利な武器なのです。

 

発熱の初期には、確かに顔色が悪くなったり、手足が冷たくなったりして、いかにも「病気だ! 大丈夫?」という状態になります。それで急いで病院に受診する頃には、本人もケロッとしていたという経験がないでしょうか?

 

発熱の初期には、手足が冷たくなり、元気がなくなります。寒気を感じている状態です。その際には、温めてあげるのが正解です。その後に元気になったように見えるのは、熱が身体の隅々まで行き渡り、病原体との戦いモードに入ったというサインです。発熱をうまく利用しようという姿勢になったのです。こうなったら、もう温める必要はありません。余分な熱をお子さんが発散できるように、涼しい格好にしてあげるのが正解です。

病院に行ったほうがいいのは「こんなケース」

すぐに受診する必要はありません

今の時期でも、発熱したらまず新型コロナ感染やインフルエンザ感染が心配になり、すぐに病院を受診してPCR検査やインフル迅速検査を受けたくなりますよね? でも、ちょっと待ってください。すぐに病院を受診する必要はありません。新型コロナ感染が、小児を起点に始まることはほぼないからです。周囲の大人の人たちに確認して、発熱、咽頭痛、味覚、嗅覚異常などある人がいなければ、ほぼ心配はいりません。おそらくは、別の風邪をひいたのです。

インフルエンザの検査をするなら、発熱後12~48時間の間

また、インフルエンザの迅速検査も、発熱後すぐでは正しい診断が付きません。これは技術の限界なのです。検査をするのであれば、発熱後12時間(どんなに早くても8-9時間)は経過してからのほうがいいでしょう。また、インフルエンザの治療薬を使用するのであれば、発熱後ほぼ48時間以内に使用すると効果があることがわかっています。ですので、インフルエンザの検査を希望するのであれば、発熱後12時間後から48時間までの間の受診がいいでしょう。

 

また、今の時期に多い、コクサッキー関連の風邪であれば、発熱期間はせいぜい2-3日です。元気があるようでしたら、家で解熱するまで様子を見ても大丈夫です。

こんな症状があったら受診しましょう

受診したほうがいいのは、いつもと違って極端に元気がない、38度以上の熱が3日以上続いている、咳が酷い、ゼイゼイしている、などの場合です。鼻汁がグジュグジュで辛そうという場合も、鼻汁を吸引してもらえたり、お薬を処方してもらえたりするので、受診にはメリットがあります。解熱剤に関しては、絶対に必要なお薬ではないので、ぐったりした状態が続けば使えばいいし、ケロッとしているようなら使わなくとも大丈夫です。

小児の発熱は、ウイルスに強くなっていくサイン

小児にとって、発熱は非常にありふれた症状です。集団の中に入り、他の子からウイルスを分けてもらい、その度に発熱することで、自分の免疫力を鍛えているのです。いわば、腹筋を付けるために、腹筋運動を繰り返しているのと同じです。腹筋運動も毎日繰り返せば立派な筋肉が付いてくるのと同様で、発熱を繰り返すことで立派な免疫力ができあがって来ます。

 

したがって、小学校に上がる頃には免疫力が十分に育つので、そんなに発熱をせずとも済むようになるのです。「ウチの子が、また強くなるな〜!」とおおらかに構えましょう。

 

 

高橋 謙造

帝京大学大学院公衆衛生学研究科 教授

 

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帝京大学大学院公衆衛生学研究科 教授 

東京大学医学部医学科卒(1994年)。専門は、国際地域保健、国際母子保健、感染症学。

医学生時代に、タイの地域保健住民ボランティアシステムに感銘して国際保健、公衆衛生を志し、恩師のアドバイスにより小児科医師となる。離島医療(鹿児島県徳之島)、都市型の小児救急等を経験したあと、麻疹の大流行を経験して博士号取得に結びつける。順天堂大学、厚労省国際課、国立国際医療研究センター、横浜市立大学等を経て、2014年4月より現職。現場をみて考える、子どもをみて考える、がモットー。

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

※本記事は、こども医療と育児の総合サイト『こどもKARADAs』から転載したものです。

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