「ロスカット」と「損切り」…同じような言葉ですが、微妙な違いあります。一般的な使用法から、その意味を掘り下げてみましょう。
「損切り」と「ロスカット」…微妙な違い、答えられますか?【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「損切り」も「強制決済」も最悪ではない

また株式投資でも、証券会社に株や現金を委託保証金として納め、レバレッジをきかせた取引をすることが可能です。それを信用取引といいます。そしてそんな株の信用取引にも、損失が一定以上になると買い建てた株を強制決済される仕組みがあります。

 

しかしその前段階として、「追証(おいしょう)」を求められます。これは「追加保証金」の略で、損失が一定以上になると、「追証を納めれば信用取引が継続でき、納めなければ買い建てた株を強制決済される」という選択を迫られるのです。なお、それはFXでも同様で、強制決済の前段階で追加証拠金を求められます(これも略して「追証」です)。

 

さて、損切りも強制決済も、損失が確定するため良い気分にはなりません。しかし、追証を納めて信用取引を継続し、さらに損失を出してさらに追証を納めるという、追証の泥沼にはまってしまう方が、実はよほど損失を広げる可能性があります。

 

ですから、株の信用取引やFXで損失を出した場合は、自ら損切り(強制でないロスカット)するのが最善で、次に強制決済(強制ロスカット)を受け入れること、そして最悪なのが追証を重ねることだといえるでしょう。

 

まとめ:損切り(強制でないロスカット)が1番、強制決済(強制ロスカット)が2番、追証が3番

「ロスカット」も「損切り」も基本的には、「買った株のさらなる値下がりを予期して、一定の株価で売却して損失を確定させること」という同じ意味を持ちます。

 

しかしながらFXの分野では、損失が一定以上になり買い建てた通貨を強制決済されることを「ロスカット」や「強制ロスカット」と呼んでいます。一方で、損切りにはそういう意味がまったくありません。

 

そして、株の信用取引やFXで損失を出した場合は、自ら損切り(強制でないロスカット)するのが最善で、次に強制決済(強制ロスカット)を受け入れること、そして最悪なのが追証を重ねることだといえるでしょう。

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓

 

 

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