「日本人の労働時間」、世界と比べてみると
11月23日は「勤労感謝の日」。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」という趣旨で制定された祝日です。
もともと日本では旧暦11月の2回目の卯の日(十二支の四番目の卯にあたる日)に天皇が収穫物を神々に供えて感謝し、自らも食する祭「新嘗祭」(にいなめさい)が行われてきました。明治6年に太陽暦を導入するにあたり、諸々の事情で11月23日に行われ休日となったのが勤労感謝の日の発端です。戦後、祝祭日から国家神道の意味合いをなくすなか、現在の呼び名になりました。
なんとなくその呼び名から「働く人を敬い、感謝しましょう」という祝日だと思っていた人も多いでしょう。実際は冒頭にある通り、「仕事を大切に思い、その成果を喜び、みんなで感謝しあう」という祝日です。
そもそも日本人は働ぎすぎといわれますが、実際はどうなのでしょうか。国際労働機関のデータで1週間の労働時間をみてみると、世界主要国のトップは「トルコ」で45.91時間/週。日本は37ヵ国中19位、先進7ヵ国ではトップですが、特筆するほど「働きすぎ」という印象はありません(関連記事:『世界主要国「労働時間」ランキング』)。
【世界主要国「週間労働時間」上位10】
1位「トルコ」45.91時間/週
2位「コロンビア」45.08時間/週
3位「メキシコ」44.44時間/週
4位「コスタリカ」41.46時間/週
5位「韓国」39.34時間/週
6位「ポーランド」39.04時間/週
7位「ラトビア」38.82時間/週
8位「アイスランド」38.81時間/週
9位「リトアニア」38.70時間/週
10位「ハンガリー」38.29時間/週
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19位「日本」38.00時間
出所:国際労働機関(ILO)2019年
※全就業者平均の一人当たり週間実労働時間。ILOデータベースよりOECD加盟国を抽出
また1年間の労働時間をみていくと、トップは「メキシコ」で2,326時間/年。先進7ヵ国では「米国」がトップで1,784時間/年。「日本」は40ヵ国中20位で、先進7ヵ国では「カナダ」に次ぐ3位です。もちろん39位「フランス」1,320時間/年、40位「ドイツ」1,284/年と比較すると、日本の労働時間は多いですが、世界と比較して特別働きすぎという印象ははやりありません。
【世界主要国「年間労働時間」上位10】
1位「メキシコ」2,326時間/年
2位「コスタリカ」2,048時間/年
3位「韓国」1,927時間/年
4位「ロシア」1,893時間/年
5位「チリ」1,886時間/年
6位「ルーマニア」1,865時間/年
7位「クロアチア」1,824時間/年
8位「米国」1,784時間/年
9位「ニュージーランド」1774時間/年
10位「ハンガリー」1748時間/年
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20位「日本」1,621時間/年
出所:国際労働機関(ILO)2019年
※全就業者平均の一人当たり週間実労働時間。ILOデータベースよりOECD加盟国を抽出