学力という一つのものさしで優劣が測られる教育は、過去のものになりつつあります。それぞれが得意なことを活かし「自分で考えて行動する」力を求める動きは、コロナ禍を経て更に加速しました。「正解のない時代」に必要なものはなにか? 教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が解説します。 ※本記事は、書籍『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(青春出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。
終身雇用は崩壊…「やりたいことなどない大人」の辛すぎる今後 (※写真はイメージです/PIXTA)

しかし、これからの「入試」「就職試験」は…

確かに、これまでは、社会に出てからも、組織に従順で、指示されたことをきちんとできる人が重宝されてきたので、それでよかったのかもしれませんが、これからを生きる子どもたちは違います。

 

すでに、入試でも、就職試験でも、「あなたはどう考えるのですか」「あなたはどうしたいのですか」ということが問われ、指示通りに動ける人ではなく、自分の意見をしっかりと言える人が評価されるようになってきています。つまり、社会でも、「他人軸」ではなく、「自分軸」が求められるように変わっているのです

 

もちろん、社会で求められるから、それに適合するために、自分軸を育てようと言っているのではありません。

 

どんな時代、どんな社会になろうともお子さん自身が、自分らしく幸せに生きるために、「自分がどう生きていきたいのかを考えていくこと=自分軸をつくっていくこと」が必要なのです。

 

目に見えるものから見えないものに価値を置き、個人の自由が尊重される「風の時代」が到来したといわれていますが、これからはさらにこれまでの常識がくつがえされる、多様性の時代になっていくでしょう。

 

そのときに、自分らしくいきいきと生きるためには、子ども自身が「自分は何が好きで、何がしたくて、何ができるのか」を探していくこと、つまり、自分にとっての生きがいを見つけていくことが欠かせません

 

 

中曽根 陽子

マザークエスト 代表/教育ジャーナリスト