会社員であれば、多くの人の夢であるマイホーム。どこの街を選択するかによって、仕事はもちろん、家族の暮らしや子どもの教育に影響を与えるため、慎重に見極めたいもの。これからマイホーム購入を考える人たちにとって、その街は買い時かどうか考えていきましょう。今回取り上げるのは、京浜東北線「川口」。
住みやすい街1位の「川口」…欠点をあげるなら「アクセスの悪さ」か (※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍でも地価が上昇する「川口市」

まさに注目の川口市。マイホームを検討している人たちにとっては、物件価格を左右する地価は気になるところ。2021年発表川口市の地価公示価格平均値は、89万2,046円。コロナ禍で全国的に地価は下落基調にあるなか、埼玉県でも前年比マイナスを記録しましたが、川口市では0.96%の上昇を記録。埼玉県下では戸田市に次ぐ上昇率で、「住みやすい街No.1」に選ばれる勢いが反映されたカタチとなっています。

 

また7月に行われた地価調査で、市内で最も地価が高かったのは「川口市栄町3丁目66」。「川口」駅東口から北東方向に徒歩4分ほど、雑居ビルに飲食店が集積する繁華街で、平米単価は130万円と、川口市のなかでも突出しています。

 

用途地域を住宅地に絞ると、最も地価が高いのは「川口市本町4丁目」。「川口」駅東口から南東方面に5分ほど、タワーマンションが建ち並ぶ住宅地。平米単価は49万1,000円。その次に高かったのが「川口市並木元町」。前出の「アリオ川口」に隣接する高層マンションが建ち並ぶエリアで、平米単価は41万円。高層マンションが建つ、若い世代に人気のエリアが上位に並びます。

 

川口市の地価は、2014年から上昇を続けています。「住みやすい街」としての評判が地価にも反映されているのでしょうか。「川口」は、近年、資産価値をあげている街だといえそうです。

都内よりもリーズナブルな家賃相場で若い世代に支持されるが…

賃貸派であれば、賃貸相場が気になるところ。「川口」駅徒歩10分圏内の物件の平均値を見ていくと、1Kで5万6,200円、2LDKで10万9,500万円、3LDKで9万8,200万円(公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、10月18日現在)。物件の希少性などで、部屋数による家賃の逆転現象が起きていましたが、ファミリータイプでも10万円程度で駅近の暮らしが享受できる価格帯。都内に比べてリーズナブルな家賃も、若い世代に支持される所以でしょう。

 

そんな勢いのある「川口」ですが、不平不満の声がチラホラと聞かれます。その代表的なものが、アクセスの悪さ。前述のとおり、「東京」方面にも「新宿」方面にもリーチのしやすさが魅力の「川口」ですが、県下3番目の乗客数を誇るにも拘わらず、京浜東北線しか止まらない点は不評を買っています。

 

――都内からは遠い「浦和」と「東京」に出る時間は変わらない

――京浜東北線しか止まらないから、電車が混みすぎる

 

そんなコメントがネットにはチラホラ。京浜東北線が不通の際、駅に入れない人たちの行列が……そんなニュースを見ていたら、そこは「川口」駅だった、ということもしばしばあります。

 

快速運転をしている湘南新宿ラインを「川口」にも停車させよう! などという運動も盛んに行われているようですが、その結果次第では、さらに「川口」の魅力は高まるかもしれません。