会社員であれば、多くの人の夢であるマイホーム。どこの街を選択するかによって、仕事はもちろん、家族の暮らしや子どもの教育に影響を与えるため、慎重に見極めたいもの。これからマイホーム購入を考える人たちにとって、その街は買い時かどうか考えていきましょう。今回取り上げるのは、京浜東北線「川口」。
住みやすい街1位の「川口」…欠点をあげるなら「アクセスの悪さ」か (※写真はイメージです/PIXTA)

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「住みやすい街」で躍進する「川口」…支持の理由は?

世の中に「住みたい街」を問うランキングは色々とありますが、そのなかで注目を集めている街が埼玉県「川口」。住宅ローン専門会社による「本当に住みやすい街大賞」では、2年連続1位に輝き、特に若い家族層に支持を集めているといいます。

 

川口市は荒川で東京都と対峙する街。1933年、埼玉県下で川越市に次いで2番目の市として誕生した川口市は、東京のベッドタウンとして人口は増え続け、2009年に50万人を突破。市によると、2021年10月1日現在、60万6,618人に達し、埼玉県ではさいたま市に次ぐ規模になっています。

 

また市によると、川口の由来は、旧入間川(現在の荒川)の河口に臨んでいたからで、南北朝時代から室町時代初期に成立したといわれている『義経記』には、治承4 年(1180)、源義経が兄頼朝の挙兵に加わるため、奥州から鎌倉に向かう途中、武蔵国足立郡小川口で兵をあらためたと記されているなど、“川口”という地名は意外にも古くから伝えられていました。

 

そんな川口市の地場産業として有名だったのが鋳物。戦前には単独の市で鋳物生産量の日本一を達成していたとか。1968年の東京五輪の際、聖火をもったランナーが国立競技場の階段を駆け上がり、そして点火台に火をつける……そのような画を鮮明に記憶している人も多いでしょう。その聖火台は川口市で作られたものでした。しかし急激な宅地化によって、鋳物工場は郊外へと移転。その跡地には多くの高層マンションが建てられました。

 

川口市の中心であるJR「川口」駅は、京浜東北線が通り、1日の平均乗車数は64,428人。埼玉県下では、「大宮」駅、「浦和」駅に次いで、3番目に多い駅です。通勤時間帯である平日8時、「東京」であれば乗り換えなしで約30分、「新宿」へは「赤羽」で埼京線に乗り換えて約25分。山手線の東側にも西側にもリーチできる交通利便性が魅力です。

 

また「川口」駅周辺は買い物の利便性も抜群。駅東口エリアでは、長く慕われていた「そごう川口店」が今年2月に閉店するという寂しいニュースもありましたが、再開発ビル「キュポ・ラ」や「かわぐちキャスティ」など商業施設が点在。駅から北へ徒歩10分ほどのところには、サッポロビール埼玉工場の跡地を利用した商業施設「アリオ川口」があり、若い家族層を中心ににぎわっています。

 

高層マンションが点在する西口に広がる「川口西公園」、通称「リリアパーク」は駅前とは思えないほど緑豊かな公園。周辺は、「マルエツ」「西友」「オーケー」「業務スーパー」など、大手の格安スーパーが充実しているので、最寄り品の買い物に便利です。

 

さらに若い世代を惹きつけているのが、再開発によって、駅近くに高層マンションが次々と誕生、今後も計画されていること。たとえば、「川口銀座商店街」の東側の再開発地区。2022年に商業施設やオフィスを併設する、29階建てのタワーマンションが誕生する予定です。「川口」駅周辺の交通利便性、生活利便性を享受できるうえ、東京方面へのアクセスも申し分なし。程よい距離感が魅力の「川口」は、さらに若い世代を惹きつけていきそうです。