カフェの消費量、三大コーヒーチェーンの店舗数を都道府県別に見てみると
このような流れのあった日本のカフェ文化。すっかり生活に根付いたものになっていますが、なかでもカフェ文化で有名なのが「名古屋」。コーヒー代だけでトーストやゆで卵がついてくる、ボリューム満点のモーニングサービスは全国的にも有名です。熱々のトーストにあんこを合わせた「小倉トースト」が誕生したのも名古屋です。その流れを組む「コメダ珈琲店」は昨今、積極的に全国展開。人気を博しているのは、多くの人が知るところ。
このように見ていくと、「やはりカフェの利用は、愛知県人が一番!」とイメージしますが、実際はどうなのでしょうか。前出の総務省『家計調査 家計収支編』で「カフェ消費額」を見ていきましょう。
なお家計調査の対象地は県庁所在地で地域の実情と異なる場合があることに留意する必要があります。
2020年、最もカフェ消費が高かったのは、「愛知県」の隣の「岐阜県」で12,665円。続くのが「兵庫県」で8,823円。第3位は「東京都」で8,762円。第4位、ここで登場するのが「愛知県」で8,732円でした。名古屋の喫茶店はリーズナブルが全面に出ていますが、消費額では「岐阜県」が頭一つ抜けた存在でした(関連記事:都道府県『カフェ消費額』&『三大カフェチェーン店舗数』ランキング)。
【都道府県「カフェ消費」上位10】
1位「岐阜県」12,665円
2位「兵庫県」8,823円
3位「東京都」8,762円
4位「愛知県」8,732円
5位「滋賀県」7,773円
6位「岡山県」7,690円
7位「奈良県」7,017円
8位「神奈川県」6,986円
9位「埼玉県」6,979円
10位「香川県」6,736円
出所:総務省『家計調査 家計収支編』2020年より作成
さらにカフェ業界のトップ3「スターバックスコーヒー」「ドトールコーヒー」「コメダ珈琲店」の店舗数をそれぞれ見ていきましょう(関連記事:都道府県『カフェ消費額』&『三大カフェチェーン店舗数』ランキング)。
店舗を抽出したのはNTT『iタウンページ』。実際の店舗数とは異なる場合があることに留意ください。
まず「スターバックスコーヒー」。最も店舗数が多いのは「東京都」で309店。「大阪府」「愛知県」「神奈川県」「千葉県」と続きます。上位は三大都市圏のほか、大都市圏中心に積極的に出店をしています。
続いて、「ドトールコーヒー」。最も店舗数が多いのは「東京都」で183店。「神奈川県」「大阪府」「千葉県」「埼玉県」と続きます。「スターバックスコーヒー」との異なり、「ドトールコーヒー」はフランチャイズ展開に積極的で、FC店は直営店の4倍近くにもなります(ドトールコーヒーホームページより)。また未進出県もみられます。
「コメダ珈琲店」はどうでしょう。最も店舗数が多いのは「愛知県」で189店。それに続くのが「大阪府」「東京都」「福岡県」「三重県」。発祥の地、「愛知県」に店舗が集中し、「西日本>東日本」という分布です。
大都市圏を中心に広がる、カフェチェーンの店舗網。一方で地方ではまだまだ店舗が少ないようで、業界トップの「スターバックス」も「島根県」では3店舗、「徳島県」では4店舗しかありません。きっとそこでは古き良き時代の喫茶店が残り、多くの人を楽しませてくれているのかもしれません。