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会社員の平均よりも格段に年収が低い介護職
今回、「SOMPOケア」の給与引き上げの対象となるのは、約1,000人の介護職員。年収を50万円ほど引き上げ、介護施設に勤務する看護の平均給与並みの450万円ほどにするといいます。人材確保と定着の観点で、待遇を改善する必要が早急にあるという判断からです。
介護職員の低すぎる給与についてはたびたび報じられ、問題視されてきました。実際にどれほどなのか、厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』で見ていきましょう。
まず会社員の基本給(所定内給与額)は、平均33万0,600円。推定年収(「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与、その他特別給与額」から算出)は487万3,000円です。
145の職種別に見ていくと、年収のトップは「航空機操縦士」で、1,725万2,000円と桁違い。さらに「医師」が1,440万3,000円、「大学教授(高専含む)」が1,073万3,000円と、3つの職種が年収1,000万円の大台を突破しています。
ちょうど会社員の平均年収と同じくらいなのは、54位の「看護師」(491万8,000円)、55位の「化学製品製造従事者」(477万7,000円)あたり。
145職種のうち、介護職に該当する職種は、「介護支援専門員(ケアマネージャー)」「介護職員(医療・福祉施設等)」「訪問介護従事者」「その他の社会福祉専門職業従事者」の4職種ですが、そのなかで最も年収が高いのが「介護支援専門員」で推定年収398万8,000円。全145職種のうち、102位です。年収の内訳を見ていくと、「基本給」は平均26万9,100円、手当などを含めた給与は平均27万6,000円、賞与などは67万6,100円でした。
その次に年収が高いのが「その他の社会福祉専門職業従事者」で、「介護支援専門員」のすぐ下の103位。基本給は26万4,800円、推定年収は397万9,000円でした。
そして「介護職員(医療・福祉施設等)」は119位。基本給は25万2,300万円、推定年収は360万円。「訪問介護従事者」はそのすぐ下の120位。基本給は24万5,800円で、推定年収は356万8,000円でした。
確かに、会社員の平均と比較すると、最も年収が高い「介護支援専門員」でも約90万円近い差がついていますし、「訪問介護従事者」だとその差は130万円にもなります。「低すぎる」といわれて問題視されるには十分すぎる格差です。
過酷を極めるといわれる介護職。それで給与水準が高ければまだいいのですが、実際は平均を大きく下回っています。介護職の離職率の高さもよくいわれることですが、納得です。