夏休み以降の9月、10月が盲点
現時点でまだ、多少学力が劣っていても「いま」勉強が楽しくて、常に自分で考えてワクワクと取り組んでいる子どもと、「過去」の知恵で戦っている子どもとの勝負は、かなりの確率でやはり前者に軍配があがります。これが、「中学入試の合格確率を上げるひとつのポイントは勢い」と言われるゆえんです。
ライバルより能力があっても、勉強のピークがずれてしまったことで、「勢い」で負けてしまうケースが中学入試には本当にたくさんあります。
しかし、もともとの能力が高いばかりに、すでに勢いを失い、過去の蓄積に頼る状態になっていることに、親も子どももなかなか気がつきません。
親は逆転されたことが許せず「いままで勝っていたあの子になんで負けたの?」と、子どもを責めますし、子どもは子どもで、自覚がないので「ちょっと夏休みボケで9月、10月とあんまり勉強してなかったからなぁ」などと思っています。
このようなケースの場合は、逸早く親が子どもの変化に気づいてあげて、焦らさずに11月からでも再度ペースを上げて12月・1月と「四六時中勉強を我慢してこなしている」受験生に仕上げていけば、もとの蓄積があるのでまったく心配いりません。
夏休みが終わって学校が始まり、9月・10月には勉強のペースを崩す受験生がたくさんいるという情報を頭に入れておけば十分に対応できるのです。
従って、大半の受験生は小6生の春先から夏休み前までは短時間の集中した勉強に取り組み、夏休みに一度「寝る以外は勉強」の精神で「四六時中勉強を我慢してこなしている」受験生に近づく努力をしてほしいです。
そして、秋は短時間の集中した勉強に戻して睡眠をしっかりとって乗り切り、夏の経験をもとに12月・1月と「四六時中勉強を我慢してこなしている」受験生に仕上げていくのが一番いいと思います。
橋本 憲一
浜学園
学園長