家計調査にみる、大阪、兵庫、京都の消費志向
関西3府県の暮らしぶりについて、総務省『家計調査家計収支編2020年』から、二人以上世帯/勤労世帯で見ていきます。参考にする『家計調査』では県庁所在地を調査対象とし、以下は大阪市のデータを用いています。大阪府全体の実情とは異なる可能性があることは留意ください。
3府県の世帯収入は「兵庫県>大阪府>京都府」の順。「兵庫県」と「京都府」の間には4万5000円以上の差があります。一方で消費支出は「兵庫県>大阪府>京都府」と順位こそ同じではありますが、「兵庫県」と「京都府」の差は1万5000円ほどに縮小します。
支出を「食料」「住居」「光熱・水道」「家具・家具用品」「被覆及び履物」「保険医療」「交通・通信」「教育」「教育娯楽」の9項目別に見ていくと、、総支出額の多い「兵庫県」が9項目中5項目でトップ。一方で「住居」(2万6200円)「教育」(1万8821円)は「大阪府」が、「家具・家事用品」(1万3052円)「被服及び履物」(1万1216円)は「京都府」が一番お金をかけています(図表1)。
家賃の高い「大阪府」は当然「住居」にお金がかかり、また子どもの「教育」にも熱心。また「京都府」は“人の目に触れやすいもの”にお金をかけるという地域性を垣間見ることができます。
また、「平均消費性向」は全国平均61.3%に対して、「大阪府」59.1%、「京都府」59.4%「兵庫県」59.8%と3府県とも下回り、「黒字率」は全国平均38.7%に対して、「大阪府」40.9%、「京都府」40.6%、「兵庫県」40.2%。と3府県とも上回りました。
「大阪府」、「京都府」、「兵庫県」と、“関西”とまとめて語られることの多い3府県。家計調査から見えてきたのは、消費支出に対してそれぞれ異なる傾向はあるものの、「節約志向が強く、ガッチリ貯めこむ」という、多くの人が思い浮かべる“関西人”の共通のイメージでした。
※1 消費支出各項目の数値は平均値であり、加算しても合計値にはならない
※2 大阪府の勤労世帯(世帯人員3.30人、世帯主年齢47.9歳)、京都府の勤労世帯(世帯人員3.33人、世帯主年齢48.9歳)、兵庫県の勤労世帯(世帯人員3.15人、世帯主年齢50.5歳)