日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、内閣府による世論調査から「50代が抱える将来不安」に焦点をあてていきます。
老後の見通しがたちません!日本の50代、1200万人が抱える焦燥感 ※画像はイメージです/PIXTA

世論調査結果から判明!将来不安を抱える人が圧倒的に多い50代

内閣府が行っている『社会意識に関する世論調査』。大きく「国や社会との関わり」「社会の現状に対する認識」「国の政策に対する評価」についてたずねています。最新の調査が行われたのは、昨年12月から今年1月にかけて。行政のデジタル化推進の流れを受け、郵送回答とインターネット回答を併用する試験調査として実施されています。

 

そこなかで、社会の満⾜度として「現在の社会において満⾜していない点は何ですか」と質問。その他含め13の項目から複数回答可で選択してもらったところ、最も多かったのが「経済的なゆとりと⾒通しが持てない」で、過半数を超えています。

 

Q.現在の社会において満⾜していない点は何ですか

 

「経済的なゆとりと⾒通しが持てない」58.5%

「若者が社会での⾃⽴を⽬指しにくい」40.9%

「家庭が⼦育てしにくい」36.8%

「⼥性が社会での活躍を志向しにくい」33.7%

「働きやすい環境が整っていない」32.6%

「⼼と⾝体の健康が保たれない」26.4%

「⼈と⼈とが認め合い交流しにくい」23.8%

「⾼齢者が社会と関わりにくい」22.8%

「チャンスを⾒つけにくい」20.2%

「向上⼼・向学⼼を伸ばしにくい」17.6%

「良質な⽣活環境が整っていない」9.8%

 

出所:内閣府 令和2年度調査研究『社会意識に関する世論調査』より

 

この「経済的なゆとりと⾒通しが持てない」の回答を年齢別に見ていくと、50代が7割を超え、突出していることがわかります。

 

【年齢別「経済的なゆとりと⾒通しが持てない」回答割合】

「20~29歳」56.0%

「30~39歳」45.7%

「40~49歳」59.3%

「50~59歳」71.0%

「60~69歳」66.7%

「70歳以上」47.1%

 

出所:内閣府 令和2年度調査研究『社会意識に関する世論調査』より

 

定年を前にした50代は、老後を見据えて準備を始める年齢。そこで多くが「ゆとりがない」「見通しが持てない」と不満を抱えているという結果に、50代よりも下の層も「自分たちの老後も大丈夫なのだろうか」と不安を覚えるのではないでしょうか。