日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、厚生労働省や総務省の調査から、「大阪府」「京都府」「兵庫県」、関西3府県の給与事情に焦点を当てていきましょう。
「大阪」vs.「京都」vs.「兵庫」…関西3府県、会社員の平均給与 ※画像はイメージです/PIXTA

大阪、兵庫、京都…関西で一番お金持ちの街は?

“関西”というとどこまでのことをいうのか……。法律上の解釈はないので、7府県を指したり、さらに「三重県」が加わったり、「福井県」を入れたり、ときには「大阪府」だけをいう場合もあったりと、境界線はさまざま。そのようななか、「大阪府」「京都府」「兵庫県」の3府県は、多くの人が関西と認識するところではないでしょうか。

 

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると「大阪府」の総人口は884万2523人と、日本の人口の7%強を占めます。また「京都府」は257万9921人、「兵庫県」は546万9184万人と、人口規模では両地域には倍近くの差があります。

 

次に3地域の会社員の給料事情についてみていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、「大阪府」の会社員の平均月収(所定内給与)は32万0400円で、推定年収(きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出)は504万2000円。47都道府県のなかでは東京都、神奈川県、愛知県に次ぎ第4位です。

 

一方「京都府」の会社員の平均月収は31万0800円で、推定年収は490万1000円、「兵庫県」の会社員の平均月収は30万1500円で、推定年収は489万9000円。やはり「大阪府」が頭ひとつ抜けた存在ですが、「兵庫県」と「京都府」は拮抗しています。

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調査」で、市町村別の年収事情を見ていきましょう。

 

*所得税納付者の納付状況をまとめたもの。前出の厚生労働省調査とは対象が異なることに留意ください。

 

「大阪府」のトップは「箕面市」で428万2305円。「兵庫県」のトップは「芦屋市」で652万0842円。「京都府」のトップは国立国会図書館関西館や国際電気通信基礎技術研究所などがある「精華町」で384万6123円(関連記事:「大阪府」「京都府」「兵庫県」関西3府県…市町村別「年収ランキング」』。

 

関西トップの「芦屋市」は、全国でも「お金持ちが暮らす街」として知られ、年収ランキングでは全国1741市区町村中、堂々の5位です(関連記事:『【2021年版】全国1741市区町村「年収ランキング」』)。

 

「芦屋」といえば、市東北部に位置する「六麓荘町」。大阪と神戸のちょうど中間、六甲の山麓、38ヘクタールの高台に広がる瀟洒(しょうしゃ)な住宅街で、全国にさまざまな高級住宅街がありますが、「六麓荘町」は別格といわれているほど。通常、紳士協定によって街の景観を維持するケースが多いなか、ここは市の条例によって守られています。

 

日本有数のお金持ちが住む街を有するだけあり、「関西で一番お金持ちの市町村」のトップというのも当然の結果といえそうです。