(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省の調査(2019年)によると、男性はおよそ5人に1人(19.7%)、女性についてもおよそ10人に1人(10.8%)の割合で「糖尿病が強く疑われる」という結果が出ています。今回、生活習慣病を専門とする『しらい健康クリニック泉中央』の白井院長が、初期症状がめったに出ない糖尿病の恐ろしさと、早期発見の重要性について解説します。

初期症状が出ない糖尿病を「早期発見」する方法

では、症状が無いのであれば、どのようにして気を付けたら良いのでしょうか。

 

簡単なことです。定期的に健康診断を受ければよいのです。職場の定期健康診断など、一般的な健康診断には血糖やHbA1c(※)など、糖尿病を調べる検査項目が入っています。

 

※HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー):赤血球中のヘモグロビンという色素のうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値

 

毎年きちんと健康診断を受けて、ひっかかったときにすぐに医療機関を受診すればよいのです。

 

先述したような症状があって受診する方というのは、ほとんどが健康診断を受けていなかった、もしくは健康診断でひっかかっていたにも関わらず、受診していなかった人たちです。毎年健診をきちんと受けていた方が、突然症状を出すことはほとんどありません。

めったに出ない、糖尿病の初期症状とは

一応、例外的に糖尿病が初期症状を出す場合があります。食後3~5時間での低血糖症状です。

 

糖尿病予備軍や糖尿病の初期段階では、食後の血糖が高くなります。糖尿病がある程度進行すると、高くなった血糖がなかなか下がらなくなるのですが、初期の段階だといったん高くなった血糖が急激に下がるので、食後3~5時間後にはかえって食前よりも低くなってしまうことがあります。これを「反応性低血糖」と呼んでいます。

 

症状としては、異常な空腹感、冷や汗、脱力感などが特徴的です。典型的にはお昼ご飯を食べてしばらく経った、午後4時~5時くらいに症状が出ます。

 

特に炭水化物メインのバランスの悪い食事、例えば麺類などを食べた後に症状を出すことが多いです。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。

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