じわりじわりと襲ってくる「セルフネグレクト」…どんな状態?
ひきこもりを考えるときに、「孤独」の問題は避けて通れません。
孤独が人をひきこもり化させ、ひきこもることでその人の孤独が加速する……。そんな悲しい相乗作用があるのが、ひきこもりと孤独の関係なのです。
孤独になると、その人にじわりじわりと絶望が襲ってきます。絶望とは、読んで字のごとく、望みが絶たれた状態なので、絶望に置かれた人はセルフイメージ(自己評価)が日を追うごとに低下していき、徐々に自分を粗末にしていくようになります。これが、いわゆる「セルフネグレクト」という状態です。
セルフネグレクトとは「自己放任」とも言われます。自分の生活や健康の状態が悪化しているにもかかわらず、改善する意欲や助けを求める気力を失っていくことを指します。
孤独になり、セルフネグレクトの状態になると、何事にもやる気が出ず、改善もできなくなるのです。こうなると、ひきこもりがちな現状を改善しようという意識など持てません。部屋や家から出る頻度もどんどん減っていき、自分のケアをいっさいしないまま、ひきこもって生きていくようになると考えられます。