日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「北海道の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
北海道の会社員「平均年収423万円」…全国30位でも「貯蓄より消費」の県民性 ※画像はイメージです/PIXTA

家計調査で明らかになった北海道・勤労世帯の家計

次に北海道の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』から、二人以上世帯/勤労世帯で見ていきましょう*。

 

*『家計調査』では県庁所在地を調査対象としているので、地域全体の実情とは異なる可能性があります。

 

北海道の勤労世帯(世帯人員3.10人、世帯主年齢50.2歳)の持ち家率は64.5%。全国平均80.1%と比べると15ポイント以上低く、賃貸志向の強い地域です。また配偶者(女性)の有業率は49.3%。全国平均54.7%に比べて5ポイントほど低く、専業主婦が多い地域といえるでしょう。

 

平均世帯収入は63万4825円。全国平均を3万円ほど上回っています。 1ヵ月の消費支出は33万円強。賃貸率の高さから「住居費」、また冬の暖房費の支出からか「水道・光熱費」が全国平均を上回り、衣食住の「住」にコストがかかるのが北海道の特徴だといえそうです。

 

【北海道の「勤労世帯」家計の平均値】

■実収入 63万4825円(60万9535円)

「世帯主の収入(うち男)」44万6801円(41万0324円)

「世帯主の配偶者の収入(うち女)」7万1288円(8万7666円)

■実支出 45万0812円(41万6707円)

「消費支出」33万4015円(30万5811円)

 食料 7万9891円(7万9496円)

 住居 2万9287円(1万8824円)

 光熱・水道 2万6444円(2万1696円)

 家具・家事用品 1万3336円(1万3364円)

 被服及び履物 1万1262円(1万0654円)

 保健医療 1万2963円(1万3068円)

 交通・通信 5万5032円(4万9469円)

 教育 1万6398円(1万6548円)

 教養娯楽 2万9804円(2万6824円)

 その他の消費支出 5万9597円(5万5868円)

「非消費支出(直接税、社会保険料等)」11万6797円(11万0896円)

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない

※(かっこ)ない数値は全国平均

 

また所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いた、黒字額は18万4013円(全国平均19万2828円)で、黒字率は35.5%(全国平均38.7%)。平均消費志向は64.5%(全国平均61.3%)と、貯蓄欲よりも消費欲のほうが高い傾向にあります。

 

道都・札幌市に一極集中が見られる北海道ですが、収入面では地方が健闘。また広大な土地柄、「お金を使って楽しもう!」というおおらかな県民性を垣間見ることができます。