日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「北海道の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
北海道の会社員「平均年収423万円」…全国30位でも「貯蓄より消費」の県民性 ※画像はイメージです/PIXTA

北海道市町村年収ランキング…道内トップの札幌以外の街

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、北海道の人口は522万8885人で、5年前の調査と比べて15万2848人、割合にして-2.8%の人口減。一方で世帯数は244万4810世帯で、前回調査から2万6330世帯、割合にして1.07%増となりました。5調査連続の人口減となり、減少率、減少幅ともに過去最大となりました。

 

日本で5番目(東京特別区を除くと4番目)に人口規模の大きな札幌市では1.2%の人口増を記録していることから、都心部への一極集中が進んでいることが分かります。そんな北海道の給与事情を見ていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、北海道の会社員の月収(所定内給与)は27万2800円で、推定年収(きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出)は423万3000円。47都道府県のなかでは、第30位です。

 

男女別にみると、男性会社員の月収は33万0200円、推定年収は473万0000円。女性会社員の月収は22万8000円で、推定年収は341万9000円です。年齢による男性会社員の平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、定年前の50代後半で655万8000円に達します。

 

【北海道の「男性会社員」の年収推移】

「20~24歳」 298万8000円(289万6000円)

「25~29歳」 376万8000円(354万3000円)

「30~34歳」 433万3000円(397万7000円)

「35~39歳」 472万6000円(428万0000円)

「40~44歳」 505万0000円(453万9000円)

「45~49歳」 562万1000円(488万6000円)

「50~54歳」 576万7000円(491万8000円)

「55~59歳」 556万7000円(489万2000円)

「60~64歳」 426万7000円(391万4000円)

「65~69歳」 359万8000円(325万7000円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成

(かっこ)内金額は男女計

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」で、市町村別の年収事情を見ていきます。1位はオホーツク海に面する「猿払村」で531万1491円。全国1741市町村のなかでも、上位12番という高収入の村です。「全国的にはマイナーな村がなぜ?」と思う人も多いでしょうが、その要因はホタテ。日本でも有数のホタテ養殖で有名な村で、街にはそれで財を成した“ホタテ御殿”が点在しています(関連記事:『北海道・市町村別「平均年収」ランキング』)。

 

一方、北海道の政治・経済の中心である札幌は318万6221円で、北海道179市町村中、第32位。一極集中が加速している北海道ですが、給与事情は話は別。通常、大都市ほど平均年収は高くなる傾向にありますが、猿払村のように、特別な事情で高い平均年収を誇る街が上位を占めています。