大阪の地価…「キタ」が存在感示すも、「ミナミ」も注目
大阪府の2021年最新の公示地価を見ていくと、地価平均は104万8106円/坪で、東京都に次いで全国2位。コロナ禍で全国的に地価が下がるなか、大阪府でも同様に前年比-0.77%下落。全国的には24番目の変動率でした。
そのようななか、2021年、大阪府で最も地価が高かったのが、JR「大阪」駅北の再開発エリア「うめきた」の「大阪市北区大深町4丁目」で、平米単価は2290万円。全般的に大阪府の商業地は下落傾向にありますが、それでも大阪都心の地価は全国有数。うめきたは元々貨物駅があったところで、2013年に「グランフロント大阪」が開業したのを皮切りに、大規模プロジェクトが進行しています。2020年12月には2期地区の工事が着工し、2027年に全面開業を予定。ますます地価があがりそうな気配です。
トップ10を見ると、「大阪」「梅田」周辺の繁華街「キタ」と、「難波」周辺の「ミナミ」が占めています。その規模感からキタの再開発のほうが注目を集めていますが、ミナミでも高度成長期前後に建てられたオフィスや商業施設が更新の時期を迎え、新しいスポットとしてリニューアル。今後、ミナミでも地価の上昇が予想されています。
用途地域を住宅地に絞って見ていきましょう。最も平米単価が高かったのは「大阪市福島区福島3丁目」。JR東西線「新福島」から徒歩6分、阪神本線「福島」駅、京阪中之島線「中之島」駅から徒歩8分、高層マンションが多く見られる住宅地域です。梅田からも近く、その交通利便性から特に単身者から支持を集めています(関連記事:『【2021年】大阪府「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。
続いて2位は「大阪市天王寺区上汐4丁目」。大阪市高速電気軌道谷町線「 四天王寺前夕陽ヶ丘」駅から徒歩6分、中高層のマンションのほか、雑居ビルも混在する住宅地域です。「大阪」駅には23分、「天王寺」駅には10分と、乗り換えなしでリーチできる利便性で支持されています。
トップ10を見てみると、天王寺区が4地点、 中央区が3地点のほか、すべて関西地区の中枢である大阪都心6区。ただ東京都の場合、99位でやっと平米あたり100万円を下回る水準ですが、大阪府の場合、100万円を上回るのは1位だけです(関連記事:『【2021年】東京都「住宅地地価」ランキング…価格&上昇率ベスト100』)。
全国2位の地価水準であっても、都心に隣接したエリアの居住がかなう大阪府。地価水準を見ても、東京だけが特別に高いことがわかります。
【大阪府住宅地の地価ベスト10(住宅地)】
1位 大阪府大阪市福島区福島3-1-55(1,050,000円)
2位 大阪府大阪市天王寺区上汐4-4-25(802,000円)
3位 大阪府大阪市北区紅梅町6-6(728,000円)
4位 大阪府大阪市中央区上町1-15-15(724,000円)
5位 大阪府大阪市西区北堀江4-13-5(663,000円)
6位 大阪府大阪市天王寺区真法院町10-6(629,000円)
7位 大阪府大阪市天王寺区上本町8-6-14(599,000円)
8位 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-25-5(532,000円)
9位 大阪府大阪市天王寺区大道3-6-6(505,000円)
10位 大阪府大阪市中央区瓦屋町1-7-(482,000円)
出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より
(かっこ)内は㎡単価