スワップ金利とは、どのようなシステムなのか?
スワップ金利を味方に付けた資産運用法を紹介する前に、スワップ金利がどのようなシステムなのかということについて理解を深めたほうがよいでしょう。
スワップ金利というのは、簡単にいえば「国で定めている金利の差を利用した投資手法」です。たとえばですが、金利が1%に定めているA国と、金利が10%となっているB国の2つがあったとします。この2つの国では金利の差が9%ありますので、「A国の通貨でB国の通貨を買う」と差額分の9%の利息を得ることができるということです。
スワップ金利の利息を得るタイミングに関しては「1日に1回」となっているので、ポジションを保有していれば、毎日利息を受け取ることができます。スワップ金利は、言い換えれば「ポジションを持っているだけで利益を得られる方法」なので、「取引の上手さで成績が大きく変動する」というトレードでの利益に比べると日本人に合った資産運用法でしょう。
手軽さが魅力の「スワップ金利を利用したFX取引」だが…
スワップ金利を利用した資産運用法は、手軽にできるのがポイントなのですが、甘い考えで取引を始めると結果的に大きなマイナスを被ってしまう危険性もあります。
一般的な日本人の感覚からすると「資金を預けているだけで利息がもらえるのだから、マイナスになることは無いのでは?」と思うかもしれません。
確かに、日本のバブル期の景気を体感していた人の考えではその通りかもしれませんが、バブル期に銀行に預けて得ていた利息と、スワップ金利で受け取る利息では異なるポイントが1つだけあります。それは「自国の通貨を消費して、他国の通貨を購入している」ということです。
バブル期の日本では、「日本円を預けて、日本円で利息を受け取る」という仕組みでした。そのため、元金が目減りすることもなく、預けているだけで年利10%以上の利息が発生していました。
しかし、スワップ金利では「日本円で他国の通貨を買う」という仕組みになっています。そのためスワップ金利だけではなく「通貨自体の価値」が上下することで、「スワップ金利ではプラスでも、トレードでマイナスになる」という状態が引き起こされてしまいます。
これらのことから、スワップ金利を軸にしたトレードで資産を増加させることを考えているのならば、スワップ金利による利息だけではなく、通貨自体の相場にも目を向けることを忘れないでください。