面接の場で、自分から「年収」「独立」の話はしない
転職してその会社に入るとしても、そこですら「最後の会社」ではないかもしれないという前提がある時代になっています。それ自体は仕方のないことかもしれませんが、面接の場で「3年後に独立したいと思います」はさすがにNGと言えるでしょう。
独立を視野に入れていたとしても、3年はスパンが短すぎます。こういった発言は、面接以前に相手への配慮、コミュニケーションのマナーとして避けるべきです。究極的には、面接の場では「独立します」は言わない方がいいくらいです。
また同様に「この会社で年収を倍にしたいです」も微妙です。こう言われてしまうと、面接官は「そのためにはやる仕事いっぱいあるけど本当にやるのかな」とか、「年収が上がんなかったらやめるんじゃないか」とか「上がってもそこで満足してやめるんじゃないか」とかいろいろ思ってしまうもの。年収の話も究極しなくていいと思います。
面接官からしたら、言われなくてもどうせ最後にしなくてはいけない話です。ですから、求職者側からはしなくてもいいのではないでしょうか。
個人のキャリアを考えるのはもちろんOKですし、年収を30〜40代でこれくらい上げたいという目標設定をするのもいいことだと思いますが、面接の場ではそれ以上にその会社でやりたいこと・実現したいことをステップに分けて伝えていく方が面接官に響きますし、仕事をやってくれるイメージが湧きます。
「自分は会社のために何が出来るか」を伝える
結婚の話に置き換えると分かりやすい話です。一昔前、女性の結婚したい男性像は「高学歴・高収入・高身長」でした。これは、テイクしにきている話です。理想がこうです、と直接的に男性に言うより、「男性を立てるのが得意です」と言った方がいいのと同じです。
「チームを盛り上げるのが得意です」「売り上げをつくるのが得意です」「アイデアを出すのが得意です」とあなたが提供できる価値について話していった方が確実にいい会話になります。結局はギブ&テイクのギブを先に提示しないと、あなたが損をすることになってしまいます。
福山 敦士
キャリア教育研究家/人材会社経営者