株式トレードをするなら、必ず「利益確定」と「ロスカット(損切り)」をしなければいけません。ロスカットを甘く見ているトレーダーはとても多く、株式トレードは9割が負けるといわれてすらいます。今回は、ロスカットのルールの作り方について解説していきます。
資産を確実に増やしていくための「正しいロスカットルール」の決め方 ※画像はイメージです/PIXTA

ATRを使ったロスカット設定のテクニック

ロスカットルールの設定は、エントリー前に感情的に受け入れられるものであるべきです。それでもトレードをすると、自分の設定した価格にわずかに届かなかったり、逆にローソク足の髭で狩られたりすると、せっかくのルールを変えたくなります。そのようなボラティリティや株価の不安定性を少しでも取り除ける分析手法があります。

 

それは「ATR(Average True Range)」です。たとえば、日足チャートで移動平均線やトレンドラインを使ってロスカットを設定したとき、ちょっとはみ出た株価のせいで、損切りになったことはないでしょうか。自分の損切株価がチャートの底値になるパターンです。これは非常に悔しい損切として、記憶することになります。こんな悔しい思いを少しでも減らしたい方に、このATRはおすすめです。

 

ATRは一定期間の株価のボラティリティを数値化した指標です。いろいろな銘柄を調べていると、一日の値幅が多種多様であることに気付くと思います。

 

もし値幅が大きい銘柄なら、テクニカル決めたロスカットに対して、誤差を設定したほうが妥当だと考えられます。このATRはその誤差の幅を示してくれます。自分で設定したロスカットラインに、このATR分だけ下げた株価で発注してみてください。悔しい下髭ロスカットが減って、自分のロスカット設定に自信が持てるようになるでしょう。