日本人学習者によく見られる文章と、洗練された文章、2通りを解説
以下の3つの例では、それぞれの状況について「日本語発想例」と「英語発想例」という2種類のトピックセンテンスを作成しています。
日本語発想例は日本人の学習者の皆さんのサンプルによく見られる表現で書かれていますが、トピック(=メールで最も伝えたい内容、主に主語になるもの)とコントローリングアイデア(=トピックをどう伝えるか。動詞や形容詞にあたるところなど)を満たしているので、必要最低限の意図は伝わる文です。
英語発想例は、頭に浮かんだ日本語を英語に変換するだけでは思い付かない、より英語らしい表現で書かれたトピックセンテンス(=そのメールの目的を満たす最も重要なメッセージ)です。
※ 説明中の(T)(C)(I)は以下を表します。
(T)=トピックセンテンス
(C)=コントローリングアイデア
(I)=付加情報
シチュエーション①問い合わせ
頭に浮かんだ内容---------------------------------------------
展示会で見たあの会社、とても良かったなあ。他にどんなデザインサービスを企業ウェブサイト向けに提供しているのか知りたい。
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(T)御社のデザインサービス your design services
(C)知りたい(問い合わせたい) would like to know/inquire
(I)(トピックの詳細)企業ウェブサイト向け corporate websites
「問い合わせ」のメールはビジネスでは最もよく作成するものの1つです。後ほど知っていると便利な表現を紹介しますが、まずは基本的な語彙で作成する日本語発想例から見てみましょう。
【日本語発想例】
I want to know about your design services.
(御社のデザインサービスについてもっと知りたいです)
↓
「御社のデザインサービスについてもっと知りたいです」という直接的な表現です。I wantは「欲しい!」という意味の直接的でやや主観的な語感を持つ言葉なので、ビジネスではなるべく避けた方がいいでしょう。代わりにI would like to~を使います。さらに付加情報(トピックの詳細)を加えれば完成です。
↓
I would like to know about your design services for corporate websites.〈12語〉
(御社の企業ウェブサイト向けのデザインサービスについて知りたいです)
【英語発想例】
inquiry(問い合わせ)、inquire(問い合わせる)というビジネスの頻出語を知っておくと、問い合わせのメールを書くのが大変楽になります。もちろん日本語発想例で用いた表現でも目的は達成できますが、よりふさわしい表現を知っていると自信が持てるでしょう。
↓
We would like to inquire about your design services for corporate websites.〈12語〉
(御社の企業ウェブサイト向けデザインサービスについて問い合わせをさせていただきたいです)
文法・表現TIPS----------------------------------------------
inquiry(イギリス英語ではenquiry):問い合わせ
inquire(イギリス英語ではenquire):問い合わせる
⇒inquire about~(~について問い合わせる)という表現を覚えておくと便利です。
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