バブル崩壊後、大学を出たのに就職先がなかなか見つからない時代に就職活動を行ったロスジェネ世代。正社員として働くことを諦めたという人たちが多い世代です。本記事では、20年以上派遣社員として働いてきたという、46歳男性の声を聞いていきます。派遣社員が抱く、将来の不安とは?
正社員との年収格差350万円…46歳派遣社員、将来年金額12万円の絶望 ※画像はイメージです/PIXTA

派遣社員と正社員の大きな年収格差…将来の年金格差も大きい

さらに最近、不安を感じているのが、将来の年金。仮に大卒男性派遣社員の平均年収で、正社員と同様に65歳まで働き続けたとしましょう。簡単に65歳からもらえる年金額をシミュレーションすると、約12万9000円。一方、大卒男性正社員の平均年収で定年まで働き続けたとしたら、将来手にする年金額は約17万4000円。月にして4万5000円、年間で50万円以上の格差になります。

 

現役時代の年収格差は、将来手にする年金額にも大きく影響するのです。

 

――独り身でお金を使うような趣味もないので、少ないながらも貯蓄は欠かさずしています。それで十分かといえば、そうは言えず。将来もらえる年金にも期待はできず、派遣としていつまで働けるかもわかりません。やはり老後の不安は大きいですよね。

 

総務省『家計調査 家計収支編2020年』によると、65歳単身者の平均消費支出は13万8542円。足りない分は当然、貯蓄などでカバーするしかありません。

 

【単身65歳以上の平均支出】

消費支出 13万8542円

食料 3万7423円

住居 1万2449円

光熱・水道 1万3016円

家具・家事用品 5439円

被服及び履物 3288円

保健医療 8475円

交通・通信 1万3574円

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』単身世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても消費支出にはならない

 

また厚生労働省『令和2年簡易生命表』によると、46歳の平均余命は36.86歳。さらに定年を迎えた65歳の平均余命は20.05歳。退職後20年は生きていくことを念頭に考えると、年金は1円でも大きくもらえたほうが何かと安心です。

 

――20年近く派遣社員として働いてきて、いままでは不安を感じたことはあまりありませでしたが、50歳を間近に控え、段々と老後を意識するようになったら、将来が怖くて仕方がありません。