金融、政治、経済に欠かせない「大数の法則」とは
1~4が出たらあなたの勝ち。5か6が出たら、私の勝ちです。ただし2回目の勝負と違うのは、サイコロを100回振って、トータルの勝ち数が多いほうが100万円もらえるということです。
世の中には絶対ということはないから、こんな賭けにも乗らないという方もいるかもしれません。しかし中学・高校で数学の成績が良かった人だったら、必ず乗る勝負のはずです。そしてこれこそが、私のいうトレードでの勝利です。
数学はちょっと苦手でしたという方のために、若干の解説をいたします。これはほぼ間違いなく「絶対」勝てる勝負です。この「絶対」の背景には、「大数(たいすう)の法則」という、数学的な法則が存在するからです。
この大数の法則は、金融、政治、社会および経済を語る上で、実は欠かすことができないものです。銀行が企業にお金を貸せるのも、保険会社が保険料の計算ができるのも、視聴率を割り出すことができるのも、選挙の開票で「当確確実」がすべての開票が終わっていないのに発表できるのも、すべて大数の法則が根拠になっています。
大数の法則を簡単に説明すると、試行回数が大きければ大きいほど、「結果として得られる出現率」は「理想の数値」に近くなっていくということです。
今回の賭けを例にとると、1~4が出る確率は約66.7%で、5か6が出る確率は約33.3%です。つまり1回勝負なら3回に1回は、5か6が出てくることになり、100万円を賭けるにはリスクが大きすぎます。しかし10回、50回、100回とサイコロを投げれば、そのうち1~4が出る回数は、投げる数が多くなるほど66.7%に近づいていきます。これが大数の法則の意味です。
したがって「勝った回数」の勝負であれば、これはサイコロを投げる回数が増えれば増えるほど勝てる確率が高まっていくわけです。
10回ぐらいなら負けるかもしれませんが、100回ならほぼ間違いなく勝てるでしょう。それでも不安ならば1千回勝負、1万回勝負に持ち込めばいいでしょう。おわかりいただけたでしょうか。どうも数学は…という方は、実際にサイコロを100回振ってみて、出た目を記録することをお勧めします。体感的に意味が理解できるはずです。