どれほど熟練の投資家であっても、永遠に勝ち続けることは不可能です。ただし、投資初心者でも「勝つ確率」を高めることはできます。数学的な法則を利用して、トータルの投資勝率を高める「トレードエッジ売買」とはなにか見ていきましょう。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
「投資勝率60~70%」を可能にする「トレードエッジ売買」とは (※画像はイメージです/PIXTA)

安定投資家への近道…「エッジがある局面のみ」で売買

さて今のたとえ話を実際のトレードに当てはめて考えると、まず確率的に有利な局面を発見する方法を学び、同じ局面ではぶれずに必ず同じ意思決定を繰り返す、つまりトータル勝負で利益を上げることを心がければ、トレードでは堅実に安定的に利益を積み上げていくことができることになります。

 

この「確率的に有利な局面」のことを、「トレードエッジ」と言います。

 

またトレードエッジがある局面のことを、「エッジがある局面」と呼びます。安定投資家になるための鍵は「エッジのある局面のみ」でしか売買しないという方針で臨むことです。

 

ただしエッジがある局面といっても、実際のところは何%くらいの確率で利益が上がるかと言えば、80%以上ということはほとんどありません。60~70%という程度です。先ほどのたとえ話と同じです。100回やれば勝っている回数のほうが多くなりますが、途中ではいくらでも負けることがあるということです。連敗も珍しくありません。

 

しかし60~70%の勝率のトレードエッジだとしても、100回勝負すれば60~70%は勝てることになります。負けの額を少なくし、勝ちの額を多くすれば、かなりの利益が残ります。これがトータルで勝つということです。

 

いけないのは、トレードエッジが来たのに、その都度ケースバイケースで対処を変えることです。60~70%の確率が、ケースバイケースの対処に変えることで、基本的には「未知数」になってしまいます。それで勝てることもあるでしょう。しかし未知数ということはトータルすれば五分五分、つまりせいぜい50%になってしまいます。

 

もう1ついけないことは、100回やればトータルで勝てるとわかっているのに、途中で大損して次の勝負にいけなくなってしまうことです。

 

トレードエッジを見つけたら常に必ず同じ対処をし、大損だけはしないよう自分に課した損切りルールを守り抜きましょう。そうすればトータルで勝てるということを、数学(大数の法則)が保証してくれているのです。

 

 

高橋 慶行

株式会社ファイナンシャルインテリジェンス
投資の学校プレミアム

代表

 

「投資の学校」代表が執筆!
初心者が「投資で勝つ」ための教科書