安定投資家への近道…「エッジがある局面のみ」で売買
さて今のたとえ話を実際のトレードに当てはめて考えると、まず確率的に有利な局面を発見する方法を学び、同じ局面ではぶれずに必ず同じ意思決定を繰り返す、つまりトータル勝負で利益を上げることを心がければ、トレードでは堅実に安定的に利益を積み上げていくことができることになります。
この「確率的に有利な局面」のことを、「トレードエッジ」と言います。
またトレードエッジがある局面のことを、「エッジがある局面」と呼びます。安定投資家になるための鍵は「エッジのある局面のみ」でしか売買しないという方針で臨むことです。
ただしエッジがある局面といっても、実際のところは何%くらいの確率で利益が上がるかと言えば、80%以上ということはほとんどありません。60~70%という程度です。先ほどのたとえ話と同じです。100回やれば勝っている回数のほうが多くなりますが、途中ではいくらでも負けることがあるということです。連敗も珍しくありません。
しかし60~70%の勝率のトレードエッジだとしても、100回勝負すれば60~70%は勝てることになります。負けの額を少なくし、勝ちの額を多くすれば、かなりの利益が残ります。これがトータルで勝つということです。
いけないのは、トレードエッジが来たのに、その都度ケースバイケースで対処を変えることです。60~70%の確率が、ケースバイケースの対処に変えることで、基本的には「未知数」になってしまいます。それで勝てることもあるでしょう。しかし未知数ということはトータルすれば五分五分、つまりせいぜい50%になってしまいます。
もう1ついけないことは、100回やればトータルで勝てるとわかっているのに、途中で大損して次の勝負にいけなくなってしまうことです。
トレードエッジを見つけたら常に必ず同じ対処をし、大損だけはしないよう自分に課した損切りルールを守り抜きましょう。そうすればトータルで勝てるということを、数学(大数の法則)が保証してくれているのです。
高橋 慶行
株式会社ファイナンシャルインテリジェンス
投資の学校プレミアム
代表