日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「お酒の税負担」について見ていきます。
ビールはもはや贅沢品か…「お酒の税金」増税に次ぐ増税も減収のワケ ※画像はイメージです/PIXTA

都道府県別にみる…「毎日お酒を飲む人が多い」県は?お酒の消費量が多い県は?

コロナ禍で行動が制限されている現在、「せめて家で飲むお酒くらい、おいしく飲ませてよ」というのが庶民の願いです。

 

厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」で都道府県別に飲酒頻度をみていくと「毎日飲酒している」という人の割合が最も高いのは「新潟県」で20.46%。やはり米どころはお酒がおいしいからでしょうか。5人に1人は飲酒が毎日の習慣になっています(関連記事:『【都道府県ランキング】お酒のみが多い/お酒の消費額/家計に占めるお酒の消費額』)。

 

一方で最も割合が低かったのが「沖縄県」で11.87%。泡盛で有名な沖縄県ですが、意外にも飲酒頻度は低めでした。

 

【都道府県「毎日飲酒している」人の割合】

1位 新潟 20.46%

2位 秋田 20.30%

3位 広島 18.94%

4位 宮崎 18.81%

5位 島根 18.66%

6位 青森 18.59%

7位 山口 18.51%

8位 岩手 18.46%

9位 富山 18.25%

10位 高知 18.07%

 

出所:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」

 

また総務省『家計調査 家計収支編2020年』によると、1ヵ月のお酒の消費額は全国平均3849円。そんななか、最も高かったのが「北海道」で6095円。「青森県」「新潟県」「秋田県」「神奈川県」と続きます。

 

さらに税引き後の手取り収入である可処分所得に占める酒代を割合を見ていくと、最も酒代が多いのが「青森県」で1.22%。「北海道」「秋田県」「新潟県」「岩手県」と続きます。一方で最も割合が少ないのが「静岡県」で0.47%。トップとは2.5倍の差があります。「毎日の楽しみはお酒」という人が青森県には多い、ということでしょうか。

 

このように地域によってお酒を飲む頻度や出費に違いはあれど、仕事終わりの1杯は格別であることは全国共通。そんななか、高過ぎると非難の的になっているビールの税率は、2026年10月に改正が行われ、ビールも発泡酒も新ジャンルビールも、54.25円に統一されることが決定しています。それによって、ビール類の市場はほぼ“本物のビール”に置き換わるとする専門家も。

 

「まずはビール」。そんなお決まりの言葉が復活する日も近いかもしれません。