日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「2000年大卒の人の給与事情」について見ていきます。
良い時代なんてなかったよ…ロスジェネ世代最悪の44歳「手取り20万円以下が4割」の衝撃 ※画像はイメージです/PIXTA

ロスジェネ時代最悪…2000年大卒が生まれた1977年は

――俺らが社会人になってからは、良い時代なんてなかったよ

 

ある一定の年齢の人と話した時、そんな会話になったときはないでしょうか。いわゆるロスジェネ世代。バブル崩壊後、大学を出たのに就職先がなかなか見つからない時代に就職活動を行った人たちを指します。

 

リクルートワークス研究所が1987年卒から発表している「大卒求人倍率」は、これまで最高は1991年卒の2.86倍、一方最低は2000年卒の0.99倍。1を切ったわけですから、「就職活動をしても内定を1つも貰えない可能性がある」ということであり、いかに当時の就職活動が過酷だったか分かるでしょう。

 

大学に現役合格し、ストレートで2000年卒業した人たちが生まれたのは1977年。その頃の今から44年前のこと。日経平均は5000円前後で推移し、円相場は1ドル240円で取引されていた時代です。当時の内閣総理大臣は福田赳夫。1月にはジミー・カーターがアメリカ第39代大統領に就任。8月には北海道の有珠山が噴火、9月には王貞治が756号の本塁打を放ち、世界新記録を達成。この快挙に国民栄誉賞が創設され、その第1号に輝きます。

 

エルヴィス・プレスリー、マリア・カラス、チャーリー・チャップリンなど、歴史に名を残す世界的大スターが亡くなったのもこの年。

 

ビルボード年間チャート第1位は、8週連続1位を記録したロッド・スチュワートの『今夜きめよう』。日本ではピンク・レディーがブームとなり、『S・O・S』『カルメン'77』『渚のシンドバッド』『ウォンテッド (指名手配)』と、次々と大ヒットを連発。年末の日本レコード大賞では沢田研二の『勝手にしやがれ』が大賞を受賞しました。

 

また日本がお茶の間の中心にあった時代。NHK歌合戦は視聴率77.0%、前述のレコード大賞は50.8%を記録。ゴールデンタイムでは巨人戦が放送されるのが定番で、30%超えを連発していました。

 

そんな明るい話題が多かった年に生まれた、今年、44歳を迎える人たち。幼少期はまさに日本が元気だった時代を生きていました。歴史的なターニングポイントとなった、1991年バブル崩壊は、14歳、中学2年生のとき。そしてまだまだバブル崩壊の余韻が残る1996年に大学に入学し、その4年後、2000年の春に社会へと旅立って行きます。