「お酒の税率は高い!」は本当か?
東京オリンピックの熱戦も冷めきらないなか、本当であれば居酒屋で「あの試合はすごかった」などと思い出話で盛り上がるのでしょうが、このコロナ禍で非常事態宣言が出ているなか、そんな機会があるわけもなく……自宅でテレビやスマホを見ながら晩酌をするのが、毎日の楽しみ、という人も多いでしょう。
ただビールを片手にくつろぐあなたを見て「もったいない! 半分は税金なのに」といった家族からの小言に耳をふさいだことのある人もいるのではないでしょうか。
確かに、お酒は食料品などのような生活必需品とは異なり嗜好品。高い税金がかけられているのが定番です。お酒の場合は、その種類や生産・消費などの状況を踏まえたうえで、税負担が決められています。酒税の税率は以下の通り。
【主な酒類ごとの酒税額と消費税額及び酒税等負担率】
※下記、①代表的なものの小売価格(税込み) ②酒税額 ③消費税額 ④酒税等負担率
ビール(633ml/アルコール5.0%)
①352円 ②126.60円 ③32.00円 ④45.1%
ビール(350ml/アルコール5.0%)
①219円 ②70.00円 ③19.91円 ④41.1%
発泡酒/麦芽比率25%未満のもの(350ml/アルコール5.5%)
①168円 ②46.99円 ③15.27円 ④41.1%
その他醸造酒/(発泡性)②(350ml/アルコール5.0%)
①160円 ②37.80円 ③14.55円 ④37.1%
リキュール/(発泡性)②(350ml/アルコール5.0%)
①160円 ②37.80円 ③14.55円 ④32.7%
清酒(1800ml/アルコール15.0%)
①2035円 ②198.00円 ③185.00円 ④18.8%
果実酒(720ml/アルコール11.0%)
①770円 ②64.80円 ③70.00円 ④17.5%
ウイスキー(700ml/アルコール15.0%)
①2068円 ②301.00円 ③188.00円 ④23.6%
出所:財務省ホームページ
ビールの場合、350ml缶であれば、4割強は税金。「半分は言い過ぎだろう」と思いつつも、仕事の後の1杯の4割が税金だと思うと、気軽に飲むことなどできなくなります。ビールといえば、元々は庶民のお酒。増税に次ぐ増税で、いつの間にかビールは贅沢品となりました。
財務省の統計によると、2020年度の酒税の税収は 1兆1336億1700万円。その10年前は1兆3892億9000万円、さらに10年前は1兆7653億6300万円でした。この20年で35%ほど税収が減ったことになります。若者を中心にお酒離れ、などといわれていますが、財源確保の面ではこの流れは痛いもの。さらなる増税もあるかもしれません。