いまやSNSはすっかり身近な存在となりました。しかし、SNSの利用傾向から、個人の性格や考え方まで見て取れるということを、皆さんはあまり意識していないようです。心理学の専門家である目白大学名誉教授、渋谷昌三氏が解説します。※本記事は『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』(日本文芸社)より一部を抜粋・再編集したものです。
SNSのプロフィール写真1枚で、相手の性格・心理はここまでわかる! ※画像はイメージです/PIXTA

プロフィール写真から「相手の心理」を見抜くには?

●本人画像は自信と承認欲求

 

SNSでは原則的に、自分のプロフィールを公開します。どこまで公開するかは人それぞれですが、そこには画像がつきものです。相手のプロフィール画像を見た時、例えば犬の画像であれば「犬が好きなんだな」「犬を飼っているのかな」などと思います。掲載している本人も、そう思われること前提で、つまりアピールしたいポイントを踏まえた画像を選ぶのが普通でしょう。

 

顔がはっきり見える自分の画像を選ぶ人は、承認欲求の強い人という傾向があります。自分に自信があり、自分を認めてほしいのです。横顔やふんわりぼやけた画像、後ろ姿などを掲載している人は、自分を見てほしいけれど、あからさまと思われたくない。前に出たいけれど自信がないという人が多いといわれます。

 

動物の写真はアクティブな印象を与えます。明るく元気のよいイメージです。中でもペット(自分で飼っているかどうかは別にして)の画像は自分の投影ともいわれます。例えば小型犬やウサギなどのおとなしい小動物なら愛らしいイメージを与えたい。大型犬なら頼もしいイメージ。猫なら自由や独立性。爬虫類は楽天的だったり独創的だったり。熱帯魚は自分の世界を大事にする人です。実際に飼っているペットを選ぶ場合は、大切なもの、自分が見ていてうれしいものを選ぶという気持ちもあるでしょう。

 

花の画像は美しさや女らしさの象徴であり、場合によっては性的な意味合いを感じさせることもあります。

 

●SNSの関係性も表れる

 

いずれも、本人の心理や性格が無意識で表れがちです。そう見せたいという心理から画像を選ぶこともあります。また、画像を載せないということもできますが、それは見た人にいいかげんさを感じさせ、親近感を持ちにくくさせます。自分らしいプロフィール画像を選ぶことから、コミュニケーションがはじまるのです

 

プロフィール画像には、SNSとの付き合い方が表れることもあります。自分がはっきり写っている場合は、SNSと現実の世界の人間関係をひとつのものと考えています。ぼんやりしていたり、自分ではない画像を選んだりしている場合、SNSと現実の生活を区別して考えているというのが一般的な見方です。

 

最近では、あえて自分とはかけ離れた別の自分になってSNSを運営している人もいるようです。そういう人は自分とは関係ない画像、または自分の体の一部をアップしたり、元の様子がわからないくらいに加工やコスプレしたりした画像を掲載するケースもあります。

 

【プロフィール写真に投稿者の性格が出る】

 

 自分の顔 

顔がはっきり写っている写真は自信がある人で積極的
顔の一部をアップにしたり加工したりした写真は個性を強調したい人
自分を小さく写している写真は恥ずかしがり屋で本心を見せたくない人

 

 スーツ姿 

仕事人間で真面目な人が多い。八方美人なところもある

 

 動物・ペット 

相手から一定の距離を取りたがる、寂しがり屋さんが多い

 

 子ども・家族 

家族第一主義の人で、子どもとのツーショットは自己愛が強い傾向にある

 

 何も載せていない 

自己主張することが少なくネット上での交流を避けたがる
 

 

◆大人のブラック心理テク◆

プロフィール画像はコミュニケーションの第一歩

 

 

渋谷 昌三

目白大学名誉教授