日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「神奈川県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
神奈川県「会社員の年収536万円」で全国2位も、貯蓄率は日本の平均値 ※画像はイメージです/PIXTA

家計調査で明らかになった神奈川県・勤労世帯の家計

そんな神奈川県の人々の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』で二人以上世帯/勤労世帯で見ていきましょう。

 

神奈川県の勤労世帯(世帯人員3.29人、世帯主年齢49.9歳)の持ち家率は73.4%。全国平均80.1%よりも7ポイントほど低く、賃貸派が多い傾向にあります。また配偶者(女性)の有業率は42.6%。全国平均54.7%に比べて12ポイント以上低く、いわゆる専業主婦が多い地域になります。平均収入は65万2156円。世帯主(うち男)の平均収入50万円を超え、配偶者(うち女)も7万円弱の収入を得ています。

 

衣食住などにかかる支出は50万円弱。全国平均を下回っているのは「交通・通信」(全国平均4万9469円)だけで、「教育」(全国平均1万6548円)、「教育娯楽」(全国平均3万0422円)など、すべての項目で全国平均を上回っています。

 

【神奈川県の勤労世帯家計の平均値】

■実収入 65万2156円

「世帯主の収入(うち男)」49万4211円

「世帯主の配偶者の収入(うち女)」6万8055円

■実支出 49万8696円

「消費支出」32万4083円

 食料 8万6489円

 住居 2万7984円

 光熱・水道 2万2237円

 家具・家事用品 1万3672円

 被服及び履物 1万0574円

 保健医療 1万4975円

 交通・通信 4万1965円

 教育 2万5776円

 教養娯楽 3万0422円

 その他の消費支出 4万9987円

「非消費支出(直接税、社会保険料等」12万8573円

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない

 

また所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いた、黒字額は19万9500(全国平均19万2828円)で、黒字率は38.1%(全国平均38.7%)。全国的にも人口が多く、会社員の平均年収も高い神奈川県。何かとメディアでも取り上げられる「横浜」などを有するので、一見、派手な印象も持たれがちですが、資産形成においては、「ザ・平均」という人が多いようです。

 

電気や携帯電話など、工夫次第でぐっと割安になるプランが登場していますが、都市部の人のほうが利用割合が高く、このような傾向が神奈川県の家計にも表れていると考えられます。