日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「神奈川県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
神奈川県「会社員の年収536万円」で全国2位も、貯蓄率は日本の平均値 ※画像はイメージです/PIXTA

神奈川県市町村別平均年収…1位は横浜市ではなく

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、神奈川県の人口は924万0411。5年前の調査と比べて1.3%の人口増となりました。全国的に人口減の傾向が強まるなか、東京都、沖縄県に次ぐ増加率を誇ります。また人口増加幅も0.9%から 1.3%へ 0.4ポイント拡大と、人口増加が加速している地域です。

 

世帯数は422万0233世帯で、6.05%増を記録。 平均世帯構成人数は2.19で、5年前の2.29から減少。全国平均2.27人を下回り、単身者世帯の増加が目立ちます。

 

そんな神奈川県の年収事情を見ていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、神奈川県の会社員の月収(所定内給与)は、33万5200円で、推定年収は536万9700円。47都道府県のなかで、東京都に次ぐ年収を誇ります。

 

男女別にみると、男性会社員の月収は36万2400円、推定年収は593万3700円、女性会社員の月収は27万7400円で、推定年収は418万9800円です。

 

年齢による男性会社員の平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、定年前の50代後半で722万2400円に達します。全国平均と比べてみると、20代前半で17万3200円の年収差が、50代後半には46万0400円に拡大します。

【神奈川県の男性会社員の年収推移】

「20~24歳」 362万6500円(342万9200円)

「25~29歳」 452万6400円(423万4300円)

「30~34歳」 501万0900円(472万6800円)

「35~39歳」 588万8000円(543万2300円)

「40~44歳」 651万1000円(591万6400円)

「45~49歳」 675万0700円(604万6900円)

「50~54歳」 718万3300円(640万3200円)

「55~59歳」 722万2400円(643万8500円)

「60~64歳」 514万3200円(481万5100円)

「65~69歳」 412万3000円(401万4500円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成

(かっこ)内金額は男女計

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」で、神奈川県内の市町村別の年収事情を見ていきましょう。トップは「鎌倉市」で470万6410円。「葉山町」も450万2377円、「逗子市」436万4010円と続きます。

 

第4位が「横浜市」で409万3624円、第5位が「川崎市」で407万8393円。100万人都市の「横浜市」「川崎市」を、人口17万人ほどの「鎌倉市」が、平均年収では上回っています。

 

鎌倉市は古くは鎌倉山周辺を中心に別荘地としてスタートした地域。いまでは高級住宅地としても知られています。また「葉山町」は御用邸がパッと頭に浮かぶ人が多いように、皇族と所縁の深い地域。富裕層からも支持の厚いため、平均年収も高くなっていると考えられます(関連記事:「神奈川県『市町村』年収ランキング」)。