日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「40代の月収と、将来手にする年金」について考えていきます。
40代の7人に1人が「手取り16万円」…65歳から手にする年金は「月10万円」の衝撃

40代の月収…20人に1人が60万円超えの一方で

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、40代前半(40~44歳)の月収の中央値は30万1300円。月収60万円以上が全体の5.2%いる一方で、14.3%、7人に1人は月収20万円未満という状況です。

 

【40代前半の月収分布】

20万円未満(14.3%)

20~22万円未満(7.4%)

22万~24万円未満(8.6%)

24万~26万円未満(9.8%)

26万~28万円未満(9.6%)

28万~30万円未満(9.5%)

30万~32万円未満(8.9%)

32万~34万円未満(8.3%)

34万~36万円未満(6.8%)

36万~38万円未満(6.0%)

38万~40万円未満(4.7%)

40万~45万円未満(8.7%)

45万~50万円未満(5.6%)

50万~55万円未満(3.8%)

55万~60万円未満(2.3%)

60万円以上(5.2%)

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』

 

40代といえば、会社で重要なポジションを任されるような人も多くなっていきます。給与も年齢と忙しさと比例してあがっていきます。もちろん支出も増えていきますが、収入も増えていく、会社人として脂がのってくる時期です。しかし月収20万円、手取りにしたら16万円程度で日々の生活で精一杯、という40代も決して珍しくないのです。

 

仮に40代で月収20万円程度、手取りにして16万円程度の人が、この先も劇的に月収が増えなかった場合、どれくらいの年金を手にすることになるのでしょうか? 現在の給付水準で60歳まで働き続けることを前提にシミュレーションしてみると、65歳から手にする年金は、老齢基礎年金が6.4万円、老齢厚生年金は4万円で、合計10.4万円ほどになります。

 

厚生労働省『公的年金財政状況報告 令和元(2019)年度』によると、公的年金の給付額の平均は、毎月14万4268円(共済組合等の職域加算部分を除いた老齢・退年相当)。平均値と比較すると、手にする年金は4万円ほど少なくなります。もちろん、月10万円程度で老後を送ることは可能。しかし余裕があるかといえば、やはり心許ないものになるでしょう。

 

このような状況に不安を感じるのであれば、選択肢は大きく2つ。投資も含めてなんとか資産を増やしていくための行動をおこすか、所得を増やすための行動をおこすか。兎に角、行動なくして将来不安からは逃れることはできません。