増大する社会保障費…世界的にみて日本国民の負担は
会社員の場合、給料の15パーセント程度は社会保険料として天引きされます。多くの人が「なんでこんなにも引かれるんだろう……」と肩を落としたことがあるのではないでしょうか。また少子高齢化が進んでいるのだから仕方がないかと、諦めモードの人も多いでしょう。
OECDによると、1人当たりの社会保障費が最も高いのが「ルクセンブルク」で24,236米ドル。「デンマーク」「ノルウェー」「オーストリア」「ベルギー」と、社会福祉先進国である、北欧を中心とした国々が上位を占めています。ちなみに「日本」は38の主要国のうち17位。1人当たりの負担額としては、それほどでもありません。
【世界主要国「1人当たりの社会保障費」ベスト10】
1位「ルクセンブルク」24,236
2位「デンマーク」16,053
3位「ノルウェー」15,868
4位「オーストリア」14,899
5位「ベルギー」14,567
6位「フランス」14,078
7位「フィンランド」14,072
8位「スウェーデン」13,736
9位「ドイツ」13,448
10位「イタリア」11,551
出所:OECD2017年調べ
※単位は米ドル
一方、社会保障費の政府負担割合を見ていくと、1位は「スペイン」で58.12%。それに続くのが「日本」で57.71%。すでに政府の負担は、いっぱいいっぱいでしょうか。
【世界主要国「社会保障費対政府支出比率」ベスト10】
1位「スペイン」58.12%
2位「日本」57.71%
3位「ドイツ」57.11%
4位「デンマーク」56.92%
5位「イタリア」56.69%
6位「フランス」55.77%
7位「オーストリア」55.44%
8位「ベルギー」55.31%
9位「フィンランド」55.13%
10位「アイルランド」54.46%
出所:OECD2017年調べ
このような状況から危惧されるのが、社会保障費の負担がさらに増えるということ。実際「協会けんぽ」「健保組合」ともに、保険料は年々上がっていますし、介護保険料率も年々上がってきています。
社会で生きている以上、支えあうのは原則ですし、いつかは支えてもらう側になるわけですから、負担増は仕方のないことかもしれません。ただ給料明細を見るたびにため息が出るのは、負担の割に、明るい未来が見えないから。せめてそこはキラキラしたものを見させてほしいものです。